林正彦

林 正彦

林正彦（はやし まさひこ、Masahiko (Masa) Hayashi、1959年 - ）は、日本の著名な天文学者であり、理学博士号を持つ。彼の専門分野は赤外線天文学と電波天文学であり、特に星や惑星系の形成過程に関する観測的研究において多大な貢献をしている。

来歴と人物

岐阜県出身の林正彦は、国立天文台において助教授および教授として、すばる望遠鏡の建設と運営に深く関わった。2006年から2010年まで国立天文台ハワイ観測所長を務め、その後、2012年から2018年まで国立天文台長として日本の天文学研究を牽引した。

略歴

1977年：岐阜県立加茂高等学校理数科卒業
1981年：東京大学理学部天文学科卒業
1986年：東京大学大学院理学系研究科天文学専攻博士課程修了
1986年：日本学術振興会特別研究員
1987年：東京大学助手
1994年：国立天文台助教授
1998年：国立天文台教授（2010年まで）
2011年：東京大学大学院理学系研究科教授（2012年まで）
2012年：国立天文台長（2018年まで）
2015年：自然科学研究機構理事（2018年まで）
2018年：日本学術振興会ボン研究連絡センター長

業績

林正彦は、天文学において数々の重要な業績を挙げている。

紫外線励起された水素分子が放射する振動回転遷移の蛍光輝線の発見: この発見は、星形成領域における物理的条件の理解を深める上で重要な役割を果たした。
原始星への質量降着現象の直接的検出: 原始星がどのようにして周囲のガスや塵を取り込み、成長していくのかを明らかにする上で画期的な成果である。
若い星が放出するジェットの駆動メカニズムの研究: 星から噴出する高速のガス流であるジェットの生成メカニズムの解明に貢献した。
原始惑星系円盤の渦巻構造の発見: 惑星が形成される現場である原始惑星系円盤における渦巻構造を発見し、惑星形成過程の理解を深めた。
太陽と似た恒星を公転するガス惑星の直接検出: 太陽のような恒星の周りを回るガス惑星を直接観測することに成功し、太陽系外惑星研究に新たな展望を開いた。

これらの業績は、星や惑星がどのようにして誕生し、進化していくのかという宇宙の根源的な謎に迫るものであり、天文学の発展に大きく貢献している。

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