枚方T-SITE

枚方T-SITE：近鉄百貨店から生まれた複合商業施設

大阪府枚方市京阪電鉄枚方市駅前に位置する枚方T-SITEは、カルチュア・コンビニエンス・クラブ（CCC）が運営する複合商業施設です。CCCの本店および大阪本社もここにあります。この施設は、単なる商業施設ではなく、近鉄百貨店枚方店という歴史を持つ土地の再開発によって誕生した、地域に根付く複合空間として注目されています。

近鉄百貨店枚方店の歴史：街と共に歩んだ百貨店

枚方T-SITEができる以前、この地には近鉄百貨店枚方店がありました。その歴史は1975年、株式会社枚方丸物運営の「ひらかた丸物」として始まりました。その後、近畿日本鉄道グループとなり「枚方近鉄百貨店」に改称、1998年には近鉄百貨店枚方店として営業を続けました。

枚方市駅南口再開発事業の一環として建設された百貨店は、地元住民の強い要望と反対意見が入り混じる中、紆余曲折を経て開業しました。地権者との交渉、行政代執行寸前の事態などもありましたが、最終的には丸物（後の近鉄百貨店）が開店。開店初日には10万人もの来場者を集め、地域の商業の中心地として発展していきました。しかし、時代の変化や競合店の増加などにより、2012年2月29日、惜しまれつつ閉店しました。

枚方T-SITEの誕生：街のリビングとしての再開発

近鉄百貨店枚方店の閉店の後、跡地は解体され、新たな商業施設の建設が始まりました。2016年5月16日、CCCが運営する「枚方T-SITE」が開業しました。

代官山、湘南に続く3店舗目となる関西初出店のT-SITEは「街のリビング」をコンセプトに、ガラスを多用した開放的なデザインが特徴です。館内には、4階から5階にかけて吹き抜けの壁面に設置された巨大な本棚は、インスタ映えスポットとしても有名です。

枚方T-SITEは、TSUTAYA枚方駅前本店（TSUTAYAの1号店から続く歴史を持つ）、枚方蔦屋書店を核テナントとし、スターバックスコーヒー、カメラのキタムラ、複数の銀行など、多様なテナントが入居しています。また、ANNEXⅠ、ANNEXⅡと別館も存在し、生活雑貨店やホステルなど、幅広いニーズに対応しています。2017年には第37回大阪都市景観建築賞審査員特別賞、2019年には第60回BCS賞を受賞するなど、建築デザインにおいても高い評価を受けています。

TSUTAYA枚方駅前本店と枚方蔦屋書店：CCCの歩み

TSUTAYA枚方駅前本店は、1983年に大和ビルで開業したTSUTAYAの1号店です。その後、数度の移転を経て、枚方T-SITEへ移転しました。枚方蔦屋書店は、TSUTAYAの書店ブランドとして、枚方T-SITEで新たに開店しました。

枚方市駅周辺には、競合となる書店やアニメイトなどもありますが、TSUTAYAは長年の歴史と地域への貢献、そして枚方T-SITEという新たな拠点で、枚方市の商業を支えています。

枚方T-SITEの現在と未来

枚方T-SITEは、単なる商業施設にとどまらず、地域住民の交流拠点、文化発信拠点としての役割も担っています。近鉄百貨店枚方店という歴史を受け継ぎながら、新しい時代のニーズに応える複合商業施設として、枚方市の発展に貢献し続けています。今後も、時代の変化に対応しながら、地域社会に愛される施設として進化を続けることでしょう。

まとめ

枚方T-SITEは、近鉄百貨店枚方店の歴史と、CCCの新しいビジョンが融合した、魅力的な複合商業施設です。地域住民の生活に密着した空間として、そして、建築デザインにおいても高い評価を得た施設として、今後も注目を集め続けるでしょう。

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