柿喰う客

柿喰う客とは

柿喰う客は、2004年に活動を開始し、2006年に正式に劇団となった日本の劇団です。劇作家・演出家の中屋敷法仁が主宰し、彼の作品を中心に上演しています。劇団の最大の特徴は、「圧倒的なフィクション」を標榜し、演劇の虚構性を前面に押し出した舞台づくりです。

特徴

虚構性の重視: 現実の生活とはかけ離れた作り物としての演劇性を重視し、虚構性の高い発話法や演技法を用いています。
社会風刺: 人間の存在や社会の荒廃を皮肉たっぷりに描き、観客から冷笑を誘うような独特の作風が特徴です。
演出: 「反・現代口語演劇」の旗手として注目されており、その独特な演出法は「妄想エンターテイメント」とも称されます。
劇団名の由来: 「100年続くように」という願いを込め、響きや字面で決められました。
多彩な活動: オリジナル作品に加え、シェイクスピアの改作、キャラメルボックスとのコラボレーション、日韓国際共同制作、児童演劇、ミュージカルなど、幅広いジャンルの作品を手掛けています。

マスコットキャラクター

劇団には、「柿生（かきお）めこ」というマスコットキャラクターがいます。デザイナーは山下浩介で、通称「めこちゃん」と呼ばれています。2007年の公演「女体カーニバル」のフライヤーで初登場し、観客アンケートで名前が決まりました。シーズンや公演ごとに衣装を変え、公式サイトやフライヤーに登場しています。

アフタートーク

各公演終了後には、約20分間のアフタートークが開催されます。中屋敷法仁が主催し、出演者代表1名、最近では3名程度が日替わりで参加します。後半は観客からの質問に答える時間が設けられています。中屋敷法仁は、ピンクパンサーのぬいぐるみ（18歳からの相棒）を抱えてトークをするのが特徴です。

乱痴気公演

多くの公演では、本公演とは別に「乱痴気公演」というスペシャルステージが1回行われます。これは、男女や主役・脇役に関わらず、配役をシャッフルして上演するものです。シャッフル方法はくじ引きや役者の希望、中屋敷法仁の独断など様々で、十分な稽古時間が無いまま行われることがほとんどです。役者同士で工夫し、ハメを外した緊張感のあるステージとなります。配役は観客に事前に公開されません。

主な公演作品

以下に、柿喰う客の主な公演作品をまとめました。

2004年～2016年:「サバンナの掟」、「挿入ジェノサイド」、「口だけの女」、「多い日も安心」、「骨はダラスに埋めてくれ」、「親兄弟にバレる」、「他人の不幸」、「顔に自信がある」、「女体カーニバル」、「性癖優秀」、「傷は浅いぞ」、「俺を縛れ！」、「真説・多い日も安心」、「悪趣味」、「露出狂」、「愉快犯」、「ながぐつをはいたねこ」、「しらみとり夫人」、「悩殺ハムレット」、「絶頂マクベス」、「無差別」、「発情ジュリアス・シーザー」、「失禁リア王」、「世迷言」、「ロミオとジュリエット」&「アントニーとクレオパトラ」、「完熟リチャード三世」、「天邪鬼」、「艶情☆夏の夜の夢」、「虚仮威」など。
2017年～現在:「流血サーカス」、「八百長デスマッチ」、「極楽地獄」、「美少年」、「御披楽喜」、「夜盲症」、「滅多滅多」、「夜な夜なプリンセス」、「空鉄砲」、「禁猟区」、「世阿弥のキス」、「リトルセブンの冒険」、「肉食獣」、「殺文句」など。

これらの作品は、東京を中心に、大阪、福岡、愛知、宮城など全国各地で上演されています。

その他の活動

劇団は舞台公演以外にも、PV制作やワークショップ、イベントなど、幅広い活動を行っています。例えば、OKAMOTO'SのPV「マジメになったら涙が出るぜ」では、中屋敷法仁が芝居部分の脚本・演出を担当しました。

メンバー

柿喰う客には、以下のようなメンバーが所属しています。

中屋敷法仁（代表）
七味まゆ味（副代表）
玉置玲央
深谷由梨香
永島敬三
大村わたる
葉丸あすか
牧田哲也
原田理央
福井夏
加藤ひろたか
田中穂先
長尾友里花
淺場万矢
今井由希
守谷勇人
とよだ恭兵
北村まりこ
村松洸希
齋藤明里
永田紗茅
蓮井佑麻
中嶋海央
佐々木穂高
田中廉
山中啓伍
浦谷賢充
* 沖育美

まとめ

柿喰う客は、虚構性を追求した独特な演出と、社会風刺を効かせた作品で、観客を魅了する劇団です。オリジナル作品に加え、様々なジャンルの作品に挑戦し、常に新しい演劇の可能性を追求しています。今後の活動にも目が離せない注目の劇団です。

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