森恒二

森恒二：漫画家、その軌跡と三浦建太郎との絆

森恒二は、1966年東京都生まれの漫画家です。代表作である『ホーリーランド』はテレビドラマ化もされ、彼の名を知らしめる作品となりました。

生い立ちと漫画家への志

幼少期から体格に恵まれ、リトルリーグで野球に打ち込み全国優勝も経験しましたが、本人は絵を描くことをより好んでいました。中学時代に漫画『がんばれ元気』を読んだことがきっかけで、漫画家を志すようになります。

高校時代には、後の『ベルセルク』作者である三浦建太郎と出会い、親交を深めます。デザイナーである三浦の両親の家で共に漫画を描き、合作が『週刊少年サンデー』の最終選考に残ったこともありました。この頃から、二人の間には強い絆が育まれていったのです。

大学時代と挫折、そして再起

大学は三浦と共に日本大学藝術学部美術学科に進学。グローブ空手の同好会に所属する傍ら、漫画の投稿を続けましたが、掲載には至りませんでした。ある編集者からの言葉をきっかけにスランプに陥り、荒れた生活を送る時期もありました。

大学4年の時、三浦が漫画家デビューを果たしますが、森自身は複雑な思いを抱えていたと言います。しかし、その後デザイナーとして働きながらも、バイク事故をきっかけに再び漫画の道を志すようになります。

『ホーリーランド』連載開始、そして現在

5年の歳月をかけて連載を勝ち取り、2000年から『ヤングアニマル』で『ホーリーランド』の連載を開始。自身の経験を元にした同作は、多くの読者の共感を呼びました。その後も、『自殺島』、『デストロイ アンド レボリューション』、『創世のタイガ』、『無法島』と、様々なジャンルの作品を発表し続けています。2023年からは『D.ダイバー』を連載中です。

三浦建太郎との深い絆

森恒二を語る上で欠かせないのが、三浦建太郎との関係です。高校時代から互いの作品について語り合い、刺激し合ってきました。三浦は生前、森に『ベルセルク』の最終回までの構想を唯一伝えており、森は設定が変更されるたびに修正後の最終回を聞かされていたそうです。森の作品『創世のタイガ』連載のきっかけも三浦の一言だったと言います。

三浦の急逝後、森は彼の遺志を継ぎ、『ベルセルク』の監修を務めることとなりました。これは、長年にわたる二人の深い友情と信頼関係があってこそ実現したことでしょう。

格闘技への造詣と作品への影響

森は格闘技の愛好家でもあり、現在もプロの格闘家と共にトレーニングを行っています。その知識と経験は、『ホーリーランド』をはじめとする作品の格闘技描写に活かされています。自らアクション指導を行うこともあるそうで、その熱意と知識は周囲からも尊敬を集めています。

森恒二は、漫画家としてだけでなく、一人の人間としても魅力的な人物です。挫折や苦悩を乗り越え、常に新しい挑戦を続ける彼の姿は、多くの人々に勇気を与えています。そして、三浦建太郎との友情は、漫画史に語り継がれる美しい物語として、これからも人々の心に残り続けるでしょう。

もう一度検索