植田工

植田 工（うえだ たくみ）は、1978年7月生まれの日本のアーティストであり、アートディレクターとして活動しています。

絵画、イラストレーション、映像といった多様なメディアを駆使して表現活動を展開しており、その作風は幅広い分野に及びます。

経歴と師事

植田は東京藝術大学で学び、2005年に美術学部絵画科油画専攻を卒業しました。さらに、2007年には同大学院美術研究科の美術解剖学修士課程を修了しています（布施英利研究室）。

大学院修了後、株式会社オリエンタルランドでの勤務を経て、2010年から2017年4月までの約7年間、脳科学者の茂木健一郎に師事しました。この期間を経て、2017年4月に独立し、自身の創作活動に専念するようになります。

茂木健一郎とは師弟関係にとどまらず、その著作である『東京藝大物語』に登場する主人公「ジャガー」のモデルとしても知られています。

作品と活動

植田の代表的な作品としては、『シーシュポスの神話』三連作や、アニメーション作品『胸に釘の刺さった男の子』、『マリア』シリーズなどが挙げられます。

アーティスト活動と並行して、イラストレーターとしても幅広く活動しています。集英社のファッション誌『UOMO』や第三文明社の月刊誌『第三文明』では連載イラストレーションを担当（2017年12月号時点）。また、池上高志著『生命のサンドウィッチ理論』、茂木健一郎監修・著の書籍など、多数の書籍の挿画やイラストを手がけています。2014年から2016年には集英社サイトにて『アートの交差点』を連載し、2017年には自身が画とテキストを担当した『早わかりシリーズ♪〜ジャコメッティ編〜』も発表しています。

展覧会活動

精力的に展覧会活動も行っており、1999年以降、国内外で多数の個展・グループ展に参加しています。個展は2005年の『A-B-C』に始まり、『イメージ スケッチ ドローイング』（2012年）、『シシューポスの神話』（2014年）、『Maria』（2015年）、『ウルトラ怪獣墓場展』（2016年）、『植田工務店』（2019年）など、多様なテーマで開催しています。

グループ展への参加も多数あり、特にクリエイターの祭典「SICF」には初期から複数回参加。2012年には茂木健一郎との二人展『one hundred orders』を開催しました。その他にも、島田真悠子、水尻自子、椋本真理子、石田多朗、渡辺雅絵といった他のアーティストとのグループ展も開催しています。2018年には、AOMORIトリエンナーレ2017 Unlimited部門に招聘作家として、池上高志との共同名義で参加するなど、分野を超えたコラボレーションも展開しています。

日々のドローイング

植田は、日々の創作活動の一環として、iPad ProとApple Pencilを用いたドローイングを継続しています。これは、2016年春に病気療養中の安静期間中に、師である茂木健一郎からの助言をきっかけに始めたものです。無意識に描かれる「doodle」（落書き）のようなスタイルが特徴で、当初は茂木健一郎への生存確認を目的としていましたが、やがて日課となっていきました。独立前のドローイングは茂木健一郎の公式ブログで公開され、独立後も自身のブログで毎日更新されています。

また、目黒学園カルチャースクールで「15歳からの造形教室」の講師を務めるなど、後進の指導にもあたっています。

植田工は、その多様な表現手法と継続的な創作活動を通じて、現代アートシーンにおいて独自の存在感を示しています。

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