業物語

業物語

『業物語』（ワザモノガタリ）は、西尾維新が手がけた青春怪異小説であり、物語シリーズの第20巻として2016年1月に講談社BOXレーベルから発行されました。イラストはVOFANによって描かれています。

概要

本書は現代の怪異をテーマにしており、物語シリーズの完結後の世界を描いた作品で、オフシーズンの第2弾に当たります。収録されているエピソードは、「うつくし姫」、「あせろらボナペティ」、「かれんオウガ」、そして「つばさスリーピング」の4つです。「うつくし姫」は、吸血鬼キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード（忍野忍）の人間時代の物語で、以前に「物語シリーズヒロイン本」に掲載された作品が再掲載されています。「あせろらボナペティ」は、アセロラ姫が吸血鬼になる前の600年前の物語で、タイトルのBon Appetit（めしあがれ）という表現が特徴的です。「かれんオウガ」は、阿良々木火憐が高校1年生の夏に山で修行を行う物語で、そして「つばさスリーピング」では羽川翼が忍野メメを探して世界旅行をしている時に起こる怪異遭遇の物語が描かれました。

この作品の表紙には、幼少期の忍野忍が描かれており、前髪がぱっつんの可愛らしい姿は、非常に印象的です。

売上と評価

オリコンによると、2016年1月の発売から1週間で推定66,100部が売れ、同年1月25日付の総合ランキングでも1位を獲得しました。また翌週には、スマートフォン向けの8bitゲーム『業物語』が公開され、本作の刊行を記念するものとなりました。

あらすじ

物語は、「うつくし姫」と呼ばれる美しいお姫様の迷いから始まります。彼女はその美しさが評価されるものの、自分の内面には誰も目を向けてくれないことに苦悩しています。そんな姫の悩みを知った魔女が、彼女の内面を視覚化する魔法をかけます。この魔法は、彼女の内面があまりにも美し過ぎるため、周囲の者が命を捧げてしまう結果を招いてしまうのです。そのため、姫は一人で逃避行に出るという選択をします。

登場キャラクター

主要キャラクターには、アセロラ（うつくし姫）、その父母、そして周囲の人々が登場し、物語に深みを加えています。アセロラ姫は、美しさゆえに命を奪われる運命を抱えつつ、試練に立ち向かう姿が描かれています。他にも、魔女、音楽家、詩人、彫刻家など、彼女に魅了された人物たちがそれぞれの人生を賭けて成し遂げようとする様子が描かれています。さらに、阿良々木火憐や羽川翼といった物語シリーズの愛着のあるキャラクターたちも登場し、各々の物語が交錯しています。

このように、『業物語』は深いテーマ性と豊かな人間描写が光る作品となっており、ファンにとっては見逃せない一冊です。

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