横浜市立図書館

横浜市立図書館の概要

横浜市立図書館（よこはましりつとしょかん）は、神奈川県横浜市内に点在する市立図書館で、18の区ごとにそれぞれ1館設置されています。これらの図書館は、合わせて約410万冊という多くの書籍を所蔵。これにより、地域住民の知識の窓口として機能しています。各館は「横浜市○○図書館」という名称で、実際には「立」の字が省かれています。

歴史的背景

この図書館のルーツは1921年に遡ります。当初は横浜市中央図書館の前身である「横浜市図書館」として設立されました。1974年には磯子図書館の開館を皮切りに、新たな図書館が順次開館し、1994年に中央図書館の完成によって「1区1館」という構想が実現しました。

更に、1994年に策定された「ゆめはま2010プラン」では、図書館の新設や地域センターとの連携が計画されましたが、実際には青葉区と都筑区の分区による2館の新設に留まりました。これにより、地域社会の図書館のネットワークが強化されることは期待されましたが、実現には至っていません。

蔵書数と利用状況

横浜市立図書館は、大阪市立図書館に次いで市町村の中で蔵書数が多いのですが、全国の政令指定都市の中で最も人口が多いため、人口当たりの蔵書数は1.1冊と最低となっています。最近では人口増加の傾向が見られ、続く利用者数の減少を反転させる兆しも見え始めているのです。

市民の図書館要求運動

1967年に開始された「横浜の図書館の充実を願う市民の会」の活動以降、図書館の充実を求める声が続いています。市民の要求に対し、行政は現在の具体的な新設計画はないとの回答をしていますが、100以上の地区センターでの図書貸出が行われています。市としての取り組みには限界があり、市民からは専門の司書が不在の地区図書室では不十分であるとの意見が強く寄せられています。

利用案内

横浜市立図書館は火曜日から金曜日までの午前9時30分から午後7時まで開館しています。さらに、中央図書館や山内図書館は午後8時30分まで営業しています。土曜日、日曜日、祝日も開館しており、年末年始や特別整理日を除いた月毎の点検日があります。

利用者は神奈川県内に在住、もしくは通勤・通学する者であれば、図書館への登録が可能です。登録後は、図書と雑誌を含む最大10冊が14日間借りられ、再貸出も可能です。また、返却はどの館でも受け付けています。

新しいサービスの導入

2021年には、電子書籍サービスを始めとした新しいサービスが導入され、約3,000コンテンツが利用可能となりました。また、オンラインデータベースにもアクセスでき、様々な情報リソースが提供されています。

移動図書館「はまかぜ号」も運行されており、遠隔地の住民にもアクセスしやすい環境づくりが進められています。

結論

横浜市立図書館は、市民の知識向上に貢献する重要な存在であり、今後の発展と地域住民へのサービス向上が期待されています。図書館の活用は、社会全体の知的な基盤を支える上でも非常に重要な役割を果たしています。

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