歌の力

歌の力（うたのちから）

「歌の力」は、2009年と2010年に放送されたNHKの『紅白歌合戦』において、テーマソングとして採用された楽曲です。このプロジェクトは、視聴者参加型の企画を特徴としており、多くの人々がその制作に関与しました。

概要と目的

『NHK紅白歌合戦』は、日本を代表する音楽番組として知られていますが、2007年第58回からの数回にわたり、音楽番組としての原点に立ち返り「歌力」（うたぢから）というコンセプトを統一して演出していくことが決定されました。特に第60回の放送では、『歌の力∞無限大』というメインテーマが掲げられ、これに伴う番組のプロモーション企画として「歌の力」プロジェクトが実施されました。

このプロジェクトでは、視聴者が「歌の力○○○」という形式でワンフレーズと、それに関連するエピソードを投稿しました。この応募は2009年の9月15日から11月8日まで行われ、全体で13,144件の応募が集まりました。その中から選ばれたワンフレーズは一つの歌詞としてまとめられ、歌詞制作のクレジットには『作詞：あなたの「歌の力」』と記されました。

楽曲の制作と発表

この楽曲は、著名な作曲家久石譲が手掛け、2009年12月22日には「アン・サリー & 杉並児童合唱団」や「リトル・キャロル & 麻衣」による競作の形で音楽配信が行われました。この配信はiTunes Storeや着うたフルなどで利用可能です。

当日の紅白歌合戦の中で、久石の指揮のもと、事前に録音された楽曲を参加者全員で大合唱するシーンが展開されました。これは、長野オリンピックの開会式をモデルにしたユニークな演出であり、観覧者には起立を求めるリハーサルも行われました。

次回の使用と更新

2010年の第61回紅白歌合戦でも、この曲は引き続き使用されましたが、前年とは異なりソロパートを担当する歌手が入れ替えられ、楽曲の構成も大きく変わりました。このように、「歌の力」は、放送を通じて視聴者との繋がりを強調し、歌による共感を生み出す重要な役割を果たしました。

関連情報

「歌の力」は、他の視聴者参加型楽曲とも比較されることがあります。例えば、『サライ』は1992年に制作された楽曲で、こちらは視聴者のメッセージを基にした作品です。また、2010年から2012年にかけて紅白の公式キャラクター「ウタ♪ウッキー」が登場し、これも「歌の力」に基づいて生まれたというストーリーがあります。さらに、歌謡チャリティーコンサートでも本曲が大合唱されるなど、多くの人々に楽しまれる作品となっています。

このように、「歌の力」はNHK紅白歌合戦の中でも特に記憶に残るテーマソングとなり、視聴者とともに築き上げた音楽の力を示しました。

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