清水順二

清水順二：多方面で活躍するエンターテイナーの軌跡

清水順二は、1972年愛知県名古屋市生まれの俳優、殺陣師、そして演劇プロデューサーである。30-DELUXという演劇ユニットの主宰者であり、殺陣道場Team AZURAも主宰するなど、多岐にわたる活動で知られる人物だ。芸名は馬男（うまお）、または清水馬男（しみずうまお）として活動している。

野球から演劇へ：意外な転身劇

幼少期から野球に打ち込み、中京大学体育学部武道学科に進学し、体育会硬式野球部に所属していた清水。卒業後は家具メーカーに就職するも、東京への転勤を機に教員を目指し、都立高校の保健体育教師となる。しかし、生徒の初舞台を観劇したことをきっかけに演劇の世界に強い興味を抱き、わずか1日で教師を辞め、芸能界へと転身したという、劇的な経歴を持つ。

芸能界での挑戦と30-DELUXの設立

六本木のクラブでウェイターとして働きながら人脈を広げ、その後は日光江戸村でスタントマンとして2年間で3000ステージ以上の経験を積む。東京ディズニーランドでのアルバイトを経験しながら養成所に通い、劇団MOTHERに入団。関西を中心に活躍した後、2002年に劇団が解散すると、自身の殺陣道場Team AZURAを設立。同年、数名の仲間とともにアクションエンターテイメントを追求する演劇ユニット「30-DELUX」を旗揚げする。

30-DELUX：年間2万人を動員する人気劇団へ

30-DELUXでは、製作総指揮、殺陣師、俳優の三役をこなし、本格的な殺陣と派手な演出で人気を博す。独特の「アクションプレイ」という手法を確立し、セリフと殺陣を融合させた新しいジャンルのエンターテインメントを創造。テーマパークでの経験を生かし、「テーマパークライブ」と称する、日光江戸村、東京ディズニーランド、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンといったテーマパークを融合させたような作品作りにも取り組んでいる。

当初は2人体制で活動していた30-DELUXだが、徐々にメンバーを増やし、現在では劇団として発展。若手育成にも力を入れており、東京、大阪、名古屋、福岡の芸能専門学校出身者も多く所属する。劇団員という枠にとらわれず、自立した俳優の育成を目指している点が特徴だ。近年ではアクションプレイミュージカルにも進出、海外公演も成功させるなど、その勢いはとどまるところを知らない。

殺陣師としての活動と多様な舞台活動

30-DELUXの活動と並行して、殺陣師としても数々の作品に参加。氣志團、嵐、関ジャニ∞など、著名なアーティストや俳優の舞台作品で殺陣指導に携わっている。2.5次元ミュージカル作品や、USJのショーのアクションコーディネートなども手掛けている。舞台、イベント、映像と、その活動領域は非常に広い。

その他の活動：ラジオパーソナリティ、飲食店経営など

2021年からラジオ番組「劇団エフエム 30-DELUX」のパーソナリティを務め、舞台の裏側や自身の経験などを語る。また、2019年からは新宿の居酒屋「酒洛 高田馬場」のオーナーとなり、週末にはディナーショー形式のイベントを開催している。さらに、自身が歌手としてデビューすることを目標としたユニット「馬男十番勝負」、俳優仲間とのユニット「三人茶屋」、そして翻訳劇に特化したユニット「SHY BOYプロデュース」など、多様な活動に精力的に取り組んでいる。

清水順二のキャリアは、単なる俳優や殺陣師の枠を超えた、エンターテインメントを創造し続ける情熱の物語である。その活動は、これからもさらに多様な分野へと広がり続けるだろう。

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