渋谷ストリーム

渋谷ストリーム（SHIBUYA STREAM）

渋谷ストリームは、東京都渋谷区に位置する複合商業施設であり、地域の著しい再開発の一環として2018年に開業しました。この施設は、旧渋谷駅地上駅舎の南側にあたる線路跡地に建設された高層ビルで、低層階には約30軒のカフェやレストランが軒を連ね、高層階にはホテルとオフィスが設けられています。

建造の背景と経緯

東京急行電鉄（現：東急）は、東横線の地下化と相互直通運転を契機に、この地域の開発を決定しました。そして、2015年に「渋谷駅南街区プロジェクト」として都市再生特別地区の認定を受け、3年余りの歳月をかけて、2018年9月13日にこの複合施設が開業しました。施設名の「ストリーム」は、近くを流れる渋谷川にちなんでおり、水の流れを意識した開発が行われています。

内部構造と機能

渋谷ストリームは、地下4階と地上35階からなるタワー構成を持っています。1階から3階には飲食施設があり、4階には共用部としてホテルのロビーやレストラン、バーが配置されています。また、5階にはオフィスエントランス、9階から13階には客室が並んでいます。特に、ホテルは「SHIBUYA STREAM HOTEL」として東急ホテルズが展開しており、177室の客室を有しています。

さらに、オフィスエリアは14階から35階にかけて広がっており、全てのフロアをグーグルの日本法人が賃貸しているため、注目を浴びる存在となっています。

アーバン・コアの概念

この施設はまた、渋谷の特有の地形や交通動線を活かすために「アーバン・コア」という概念を取り入れています。これは、渋谷駅と周辺地域、さらには地上と地下をスムーズに結びつけ、アクセスしやすい環境を構築するための取り組みです。結果として、利用者は地下3階から一気に渋谷駅東口や渋谷ストリームへアクセスできるようになっています。

特に、2階には「国道246号横断デッキ」が設けられており、ここでは旧東横線高架線路を利用した歩行者用デッキが実現されています。このデッキ上には、旧渋谷駅の名物であった蒲鉾型の屋根が再現され、近隣の渋谷スクランブルスクエアや渋谷ヒカリエとも連結されています。

渋谷川の整備

官民連携の一環として、渋谷川も整備され、水流が復活しました。この結果、以前はあまり印象の良くなかった川が再生され、周囲には遊歩道「渋谷リバーストリート」が整備されています。この遊歩道には鉄道の遺構やモニュメントが設置され、散策する人々を楽しませています。

イベントと文化

渋谷ストリームは開業当初からさまざまなイベントを開催しており、特に2018年のオープン時には人気アイドルグループによるコンサートが行われ、多くの来場者を惹きつけました。これらの活動により、施設は単なる商業スペース以上の存在として、地域の文化や交流の場としても機能しています。

渋谷ストリームは、地域活性化を促進する一方で、独自のデザインや施設の構成によって、訪れる人々に新たな体験を提供しています。観光客や地元の住民にとって、ここは単なる商業施設に留まらず、人々が集い交流するための重要なスポットとなっています。

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