渋谷東急

渋谷東急（しぶやとうきゅう）

渋谷東急は、1956年に開業し、2003年6月30日にその歴史に幕を下ろした映画館です。東京都渋谷区の渋谷クロスタワー内に位置し、映画ファンに親しまれたこの劇場は、特に多くのアニメ映画や中規模な作品を上映していました。また、旧劇場時代から続いている映画の看板は、渋谷駅の東口からも一目でわかる存在でした。

歴史と概観

2003年の文化会館の閉館に伴い、運営会社である東急レクリエーションは同ビル内のホールを映画館に改装し、渋谷東急として再出発しました。開館当初から、ディズニーやドリームワークスなどのアニメ作品が好評を博し、徐々に映画館としての地位を確立していきました。2005年から2007年にかけては、田島伸二さんが支配人を勤め、その後横田浩司さんがポジションを引き継ぎました。

渋谷東急では、松竹東急系のチェーンマスター運営のもと、おなじみのアニメ映画やアクション、ドラマなどの上映が行われていました。しかし、2010年には運営権が変更され、次第に番組編成が自由化されるようになります。このような変化を経て、2011年には3Dデジタルシネマシステムが導入され、各種新しい映画体験が提供されました。

主要な上映作品

渋谷東急では、長い間にわたって多くの人気作品が上映されました。例えば、2003年には『デッドコースター』や『ファインディング・ニモ』が大ヒットし、次の年の2004年には『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』など、名作が続々と登場しました。2005年には『カンフーハッスル』や『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』なども上映され、さらに2006年には『Vフォー・ヴェンデッタ』のような話題作が観客を魅了しました。最終年の2013年には、最後の作品として『L.A. ギャング ストーリー』が選ばれ、56年半の歴史を締めくくりました。

特徴とシステム

渋谷東急は定員300人の全席指定制で、入れ替え制のため、チケット購入後に当日券への引き換えが必要でした。また、売店は無かったものの、自動販売機が設置され、軽食や飲み物が提供されていました。このようなシステムにより、来場者は快適な映画鑑賞を楽しむことができました。

閉館とその後

2012年末には定期賃貸契約が満了することが発表され、2013年5月23日に最終上映が行われたことをもちまして、渋谷東急はその56年半にわたる映画館としての役割を終えました。閉館以降、渋谷エリアではBunkamura内のミニシアターが唯一の東急系映画館として残ることとなりました。渋谷東急の独特な雰囲気と多様な作品上映は、多くの映画愛好者の心に深く刻まれています。

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