準特急

準特急：私鉄における列車種別の歴史と現状

準特急は、日本の私鉄において利用される列車種別の一つです。特急と停車駅がほぼ同じながらも、車両の種類や設備などに違いがある列車として位置づけられています。運行会社や歴史的経緯、停車駅など、詳細を見ていきましょう。

準特急の誕生と消滅、そして復活

準特急に類する列車種別は、1959年に小田急電鉄が初めて設定しました。当時は特急車両の不足を補う目的で、既存車両を用いて運行されました。その後、近畿日本鉄道も準特急を設定しましたが、いずれも数年で廃止されています。停車駅数の違いよりも、車両の性能や設備の差が準特急設定の大きな理由でした。

長い間、準特急は私鉄の運行種別から姿を消していましたが、2001年に京王電鉄が、急行と通勤快速の速達化を目的として、再び準特急を設定しました。しかし、京王電鉄の準特急も2022年3月のダイヤ改正で廃止されています。

そして2022年、阪急電鉄が「準特急」の名称を使用開始しました。これは、京都本線と神戸本線で運行されていた「快速急行」の改称で、座席指定サービスの導入に伴う変更でした。近畿地方での準特急運行は、実に62年半ぶりとなります。

各私鉄における準特急

阪急電鉄

阪急電鉄では、2022年12月17日のダイヤ改正で、神戸本線と京都本線において「快速急行」を「準特急」に改称しました。停車駅は従来の快速急行とほぼ変わらず、京都本線では座席指定サービスの開始を反映した変更となっています。

過去の運行会社

小田急電鉄

小田急電鉄は1959年から1963年まで、週末を中心に準特急を運行していました。特急車両の不足と車内設備の格差が設定の理由です。停車駅は新宿駅-小田原駅間が無停車で、車両はセミクロスシート車や特急から格下げ改造された車両を使用していました。

近畿日本鉄道

近畿日本鉄道も1960年から1960年6月まで準特急を運行していました。小田急電鉄と同様に、設備がやや劣る車両を使用していました。社内では、停車駅の少ない特急を「甲特急」、停車駅の多い特急を「乙特急」と呼んで区別しており、準特急はこの「乙特急」に相当します。

京王電鉄

京王電鉄は2001年から2022年まで準特急を運行していました。急行の速達化を目的として設定され、運行期間中には停車駅が何度か変更されました。最終的には、特急と停車駅の差がなくなる形で廃止されています。

鉄道以外の「準特急」

2023年4月からは、中国地方の高速バス路線においても「準特急」便が登場しました。これは、従来の特急便に一部の停車停留所を追加したものです。

まとめ

準特急は、私鉄における列車種別として、歴史的にも運行会社によっても様々な変化を遂げてきました。車両設備、停車駅、運行目的など、その実態は時代や会社によって大きく異なっています。近年の阪急電鉄における準特急の復活は、新たな展開を示唆しており、今後、他の私鉄でも準特急の復活や、新たな列車種別の設定が行われる可能性もあります。今後の動向に注目です。

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