火炎直撃砲

火炎直撃砲：宇宙戦艦ヤマトシリーズの強力な艦隊決戦兵器

火炎直撃砲は、アニメ『宇宙戦艦ヤマトシリーズ』に登場する、敵艦隊を壊滅させるための強力な兵器です。白色彗星帝国やガトランティスなどの敵勢力が使用し、その圧倒的な破壊力と、回避困難な攻撃方法で、ヤマトシリーズにおける重要な要素となっています。本稿では、その特徴、各作品における差異、そして弱点について詳しく解説します。

『宇宙戦艦ヤマト2』における火炎直撃砲

『宇宙戦艦ヤマト2』で初登場した火炎直撃砲は、バルゼー艦隊の旗艦メダルーザに搭載されていました。艦首中央底部にエネルギー弾発射装置、そして左右に瞬間エネルギー移送装置を備え、発射された超高熱エネルギー弾を目標の至近距離にワープさせることで攻撃します。

このワープ技術による長射程攻撃は、敵の索敵範囲外からの攻撃を可能にし、事実上回避不可能な攻撃手段でした。22万宇宙キロという長距離からの攻撃で地球艦隊の戦艦を撃沈する威力を持つ一方、攻撃範囲は狭く、一度に数隻の艦艇しか破壊できません。そのため、正確な照準と艦の姿勢安定が不可欠であり、これが弱点にもなっていました。さらに、発射時に超高熱エネルギーを周辺空間にも放出するため、土星の環の氷塊を融解させて自艦の姿勢制御を失うという事態も発生しています。

ゲーム作品における火炎直撃砲

PS版『さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち』とPS2版『宇宙戦艦ヤマト 暗黒星団帝国の逆襲』にも火炎直撃砲が登場します。メダルーザへの搭載は『宇宙戦艦ヤマト2』と同様ですが、エネルギー転送装置はガミラスからの技術供与であると設定されています。着弾点は約7万度に達し、アンドロメダ級戦艦ですら一瞬で溶融するほどの威力ですが、連射は不可能でした。ゲーム内では、戦略マップ上の強力な攻撃手段として機能していました。

『宇宙戦艦ヤマト2199』シリーズにおける火焔直撃砲

リメイク作品である『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』と『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』では、名称が「火焔直撃砲」に変更されています。メダルーサ級殲滅型重戦艦に搭載され、エネルギー移送装置は「転送投擲機」と呼ばれています。ガミラス人の科学奴隷が開発したものであり、ガトランティス製の技術ではありません。

その威力はヤマトの主砲を弾いたゼルグート級戦艦の装甲を貫通するほど強力で、火線の周囲の火の粉だけでも敵艦を撃沈するほどの破壊力を持ちます。連射も可能ですが、目標との間に障害物があると、転送座標に誤差が生じ、直撃しない可能性がありました。『星巡る方舟』では、ヤマトが火焔の転送ポイントを予測することで回避が可能になり、『2202』ではゼルグート級用の大型装甲「ガミラス臣民の壁」が登場するなど、対抗策も登場しています。小説版では、全速後退による回避策が考案されています。

まとめ

火炎直撃砲は、その圧倒的な威力と回避困難性から、ヤマトシリーズにおいて重要な役割を果たす兵器です。しかし、攻撃範囲の狭さ、艦の姿勢安定の必要性、そして発射時の高熱によるリスクなど、弱点も存在します。各作品によってその性能や設定、そして対抗策などが異なっている点も興味深い要素です。その進化と対策の攻防は、ヤマトシリーズにおける戦闘の重要な側面を担っています。

もう一度検索