猫組長

猫組長（ねこくみちょう）

猫組長は、1964年生まれの日本の投資家、評論家であり、本名は菅原潮。元ヤクザという異色の経歴を持ち、山口組分裂後の神戸山口組二次団体・佐藤組の本部長、さらにその下の三次団体・渡辺組の組長を務めていました。

経歴

兵庫県神戸市出身。父親は医学博士という家庭に育ち、中学3年の時に父親の転勤で上京。大学では経済学部へ進学しましたが、バブル景気の中で2年生の時に中退し、大阪の不動産会社に就職。その後、東京の証券会社にいた先輩に誘われ、仲間と投資会社を設立。バブルの波に乗って稼ぐも、加藤暠が仕掛けた仕手戦に失敗し、会社は倒産。5億円の資産を失い、2億円の負債を抱えることになります。

この時、債権者の一人であった山口組系組長を頼ったことがきっかけで、経済ヤクザとしての道を歩み始めます。企業から直接株を購入する新株引き受けやインサイダー取引などを経験し、石油取引を通じて国際金融の知識とスキルを習得していきました。

2012年6月には、過去に共謀して通信販売会社の元社長から手形を騙し取った容疑でタイで逮捕され、国際手配されていました。構成員18人ほどの山口組系団体の組長を務める傍ら、「組長」名義でTwitterを利用し、情報発信を行っていました。2015年8月にはTwitterを再開し、山口組分裂騒動の内部情報を発信。その速報性と精度の高さで注目を集めました。

2015年12月にはヤクザを引退し、評論・執筆活動を開始。Twitterのアカウント名を「猫組長」に改めました。引退後、香港で初の対面インタビューに応じ、その後はタイなどを放浪。現地のゲストハウスで元競馬騎手の安田康彦と出会うも、お互い素性を知らなかったというエピソードも持っています。

人物

自らをネコノミスト・ネコ評論家と称し、猫好きとしても知られています。専門はマクロ経済学、金融市場論、ファイナンスであり、国際金融取引と投資全般を得意としています。投資顧問会社出身という経歴から「カタギ出のインテリ経済ヤクザ」とも評されています。

Twitterでは、暴力団関連の情報だけでなく、経済ニュースやネット上の炎上案件についても積極的に発言しています。また、画家カラヴァッジョを高く評価しており、その暴力性と芸術的才能に惹かれていると語っています。

主張

投資においては、「資金」「情報」「人間」の3つが重要であると述べています。株取引においては、市場での購入ではなく企業からの直接発行、企業からの情報に基づいた取引、そして仕手戦には参加しないという独自のスタイルを提唱しています。

また、重要な情報はネットからではなく人間関係から得られるものであり、投資で成功するためには人間関係を大切にすることが重要であると主張しています。

メディア出演・連載

AbemaTVのABEMA Primeやテレビ朝日のビートたけしのTVタックルなどに出演。文化人放送局では「猫組長経済セミナー」を定期的に配信していました。また、週刊SPA!や週刊アサヒ芸能で連載を持っていました。

著書

アンダー・プロトコル、暴力が支配する一触即発の世界経済、金融ダークサイドなど、多数の著書を出版しています。渡邉哲也氏との共著も多く、ヤクザ社会と経済、金融に関する独自の視点を提供しています。

関連人物

高須克弥、西原理恵子、鈴木智彦、渡邉哲也など、様々な分野の著名人と交流があります。

猫組長は、その特異な経歴と多岐にわたる活動を通して、現代社会の裏側を照射する存在として、注目を集め続けています。

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