生活協同組合コープこうべ

生活協同組合コープこうべ

生活協同組合コープこうべ（以下、コープこうべ）は、兵庫県神戸市東灘区に本部を構える大手の生活協同組合です。2023年3月現在で約172万人の組合員を抱えており、これは全国の生協の中でも上位の数字となっています。コープこうべは、総事業高（売上高）が高く、コープさっぽろに匹敵する規模を誇ります。

事業区域と店舗展開

コープこうべの事業エリアは、兵庫県全域に加え、大阪府淀川以北や京都府京丹後市にも広がっています。特に、神戸市周辺を中心に、数多くの店舗を展開しており、西は上郡町、東は大阪府の三島郡島本町、さらには北は豊岡市にまで多岐にわたります。この広足な店舗網は、コープこうべが地域社会に深く根付いていることを示しています。

沿革

コープこうべの歴史は、1918年までさかのぼります。当時、米価が高騰しており、労働者たちは適正価格での食料の購入を望んでいました。1919年には、労働組合の経営による「購買組合」の設立が計画されましたが、ここから市民的な社会事業としての生活協同組合が始まることになります。1921年に日本初の市民による生活協同組合として「神戸購買組合」が設立され、当初は10名の組合員からスタートしましたが、年末には1,246名に増加しました。

1921年には同様の趣旨で「灘購買組合」が設立され、豪商とのパートナーシップが強化されていきました。この頃から、２つの組合がそれぞれの路を歩み始めます。灘と神戸の両組合は災害時に「助け合い」の精神で義援金や救援物資を送るなど、地域社会への貢献を続けました。

その後、コープこうべは1948年に法律が整備されることで「神戸生活協同組合」と名を改め、その後もさまざまな社会的な活動を通じて成長していきました。特に、1962年には2つの組合が合併し「灘神戸生活協同組合」が誕生、急激に組合員数が増加し、1974年にはオイルショックを機に大規模な反響を呼びました。今日では、組合員数は100万人を超え、関連事業も増加しています。

震災の影響と復興への取り組み

1995年に発生した阪神・淡路大震災では、コープこうべも大きな打撃を受けました。総額500億円を超える損害が発生し、店舗が壊滅状態に陥りましたが、コープこうべは迅速に被災者支援を行い、全国からの支援を受けながら復興に取り組みました。

現在の取り組みと展望

現在、コープこうべは、環境問題対策や地域貢献活動にも積極的に取り組んでいます。2000年代には、買い物袋の有料化やリサイクル活動が開始され、地球環境を意識した運営がなされています。

組合員のニーズを反映した商品の開発や、安心安全な食料供給を推進していることでも知られ、信頼を得ています。また、地域の高齢者向けサービスや障がい者支援も継続して行い、「共助」の精神に基づいた取り組みを支持されています。

コープこうべは、今後も地域と協力し、組合員の豊かな「くらし」を実現するための努力を続けていくことでしょう。

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