畠山直哉

畠山 直哉について

畠山直哉（はたけやま なおや、1958年生まれ）は、岩手県陸前高田市出身の日本の著名な写真家です。高校卒業後、筑波大学で芸術を学び、1984年に大学院を修了します。彼は、写真を始めるきっかけとして大辻清司の影響を受け、大学卒業後は東京で活動を続けています。

初期の影響とテーマ

畠山はその生家の近くにあった大規模な石灰石鉱山という背景から、早くから鉱山や工場の風景に魅了されていました。高校時代には、これらの場所を油絵で表現していましたが、大学卒業後はフィルムを使った写真へとシフトし、石灰石鉱山や石灰工場、さらには発破の瞬間を撮影するようになりました。こうした作品は、都市の原料である石灰岩や石炭の採掘場といった場所から、都市風景や解体、裏側の風景に至るまで、多様な側面を捉えています。

作品の広がりと受賞歴

彼の作品は、都市の問題に深く関わっており、特に日本各地の石灰石鉱山や都市の景観にフォーカスしています。1997年には写真集『ライム・ワークス』と写真展『都市のマケット』で第22回木村伊兵衛賞を受賞し、2001年にはヴェネツィア・ビエンナーレにも日本代表として参加しました。また、同年に写真集『アンダーグラウンド』で第42回毎日芸術賞を受賞しています。

東日本大震災とその後の活動

2011年の東日本大震災では、故郷の陸前高田にある生家が津波で流失しました。この出来事は彼の作品にも影響を与え、以後何度も故郷を訪れ、その風景を撮影し続けています。2012年には東京都写真美術館での個展『Natural Stories』により、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞し、彼の写真家としての地位を確立しました。

主な経歴

• - 1984年：筑波大学大学院芸術研究科デザイン専攻修士課程修了
• - 1997年：第22回木村伊兵衛写真賞受賞（『都市のマケット』、『LIME WORKS』）
• - 2001年：第42回毎日芸術賞受賞（『Underground』）
• - 2001年：第49回ヴェネツィア・ビエンナーレ日本館参加
• - 2012年：芸術選奨文部科学大臣賞美術部門受賞（『Natural Stories』）
• - 2015年：紫綬褒章受章

代表的な写真集

• - 「LIME WORKS」（1996年）
• - 「CITTA IN NEGATIVO -DA Lime Works-」（1996年）
• - 「Lazur 透きとおる石」（1997年）
• - 「Underground」（2000年）
• - 「Natural Stories」（2011年）

彼の作品は、都市と自然の関係を探る深い視点と共に、我々に新たな気づきを与えてくれます。畠山直哉は、その独自のアプローチで見る者にインスピレーションを与える写真家であり続けています。

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