発話障害

発話障害について

発話障害（はつわしょうがい）とは、言語の使用において障害が生じることを指すもので、言葉を発することが困難な状態です。この障害は、発声ができない場合や、言葉が正しく発音できない場合、さらには発話が流暢に行えないケースが含まれます。発話障害はしばしば、個人のコミュニケーション能力に大きな影響を与えるため、理解と支援が必要とされます。

語法の変遷

歴史的に見ると、発話障害者は「唖（おし、おうし）」や「啞」と呼ばれていました。しかし、これらの用語は現代ではあまり用いられず、代わりに「発話障害」という表現が一般化しています。漢語では「唖」や「唖者」とも言われますが、日常的には「聾唖（ろうあ）」や「聾唖者（ろうあしゃ）」の形で使われることが多く、特にひらがなで表記されることが一般的です。

英語においては「ダム（dumb）」という単語がありますが、この単語は「話さない」という意味の他に、「馬鹿」といった侮蔑的な意味もあるため、使用は避けられることがあります。代わりに「ミュートネス（muteness）」や「スピーチが害された（speech-impaired）」といった表現が好まれます。

発話障害の分類

発話障害は、さまざまな観点から分類することができます。例えば、聴覚障害の有無によるものでは次のような分類があります：

• - 聾唖（ろうあ）: 聴覚障害を伴う状態。
• - 聴唖（ちょうあ）: 聴覚は正常だが、発話に障害がある。

障害の状態に基づいては、以下のようなタイプに分けられます：

• - 発声障害: 声を出すことができない。
• - 構音障害: 正しい音を出すことができない。
• - 吃音症: 発話をスムーズに行うことが難しい状態。

また、原因による分類もあり、運動性や心因性、聴覚性の発話障害が含まれることがあります。特に聴覚性障害は、聴覚障害が原因で次に発生することが多く、こちらの分野は関連性が深いと言えます。

関連用語と理解の進展

「聾唖（ろうあ）」や「聾唖者（ろうあしゃ）」は、聴覚障害を持つ人と発話障害を持つ人との間に関連があるため、しばしば一緒に論じられます。これは、聴覚障害を持つ人が言語を習得する機会を制限されることから、二次的な発話障害が生じやすいからです。しかし、近年、技術の進歩や福祉制度の改善によって、聴覚障害者にも言語を学ぶための機会が増えつつあります。ここにより、「聾」と「唖」はより明確に区別されてきています。

また、発話障害関連としては失語症と呼ばれる状態もあります。これは脳の障害によって言語機能（聞く・話す・読む・書くの全てまたは部分）が失われる症状で、発話障害とは異なる次元の問題として扱われることが一般的です。

このように、発話障害は多岐にわたる問題を含むため、正確な理解が求められます。早期の発見と適切な支援が、発話障害を持つ人々にとって重要です。コミュニケーション手段の多様化が進んでいる現在では、発話障害を持つ人々にとっても、より良い支援を得ることが可能になっています。

もう一度検索