白書

白書とは

白書（はくしょ、英: White Paper）とは、日本の中央省庁が発行する公式な文書で、政治や社会、経済に関する現状を広く国民に理解してもらうことを目的としています。この文書は政府の施策の現状分析や事後報告に重点を置いた内容であり、統計データや図表、法律に関する詳しい解説は含まれていません。

定義と由来

白書という名称は、イギリスの政府が議会に提出する公式報告書に由来しています。これらは表紙が白いことから「ホワイトペーパー」と呼ばれ、日本でも同様の名称で権威のある報告書を指すようになりました。ちなみに、スペインでは同様の報告書を黄書（ホアンペーパー）と称しています。

特に日本の外務省が発行する年次報告書はこちらでは青書（外交青書）と言われ、1957年に創刊された「我が外交の近況」に由来するものです。本家イギリスでは「ブルーブック」が外交官の報告書を指していましたが、現在のイギリスには存在しません。

構成と位置付け

白書は、その内容に基づき、政治、経済、社会に関する実態を国民に知らせることが中心となっています。具体的な個人名が記されたものや、定期刊行物やパンフレット、法律説明書は、白書には含まれません。正式に「白書」と名乗るには閣議の了承が必要です。

日本における白書は、主に三つのカテゴリに分けられます。まず、法律により国会への年次報告が義務付けられたもの（法定白書）、次に、その義務がないが閣議了解を経て公表されるもの（非法定白書）、最後に、各省庁の代表者の了承を得た上で発表されるその他の白書があります。

主な白書

日本には多くの公式白書が発行されています。例を挙げると、内閣官房が発行する水循環白書や、人事院による公務員白書、内閣府の経済白書などがあります。これらの白書は、それぞれの分野や課題に対する政策の進捗状況や現状を説明し、明確な方向性を示す役割を果たしています。

• - 水循環白書: 水資源管理についての現状を報告
• - 経済白書: 経済の実態や政府の施策の影響を分析
• - 公務員白書: 公務員の状況や政策評価をまとめたもの

このように、白書には具体的な法令に基づく根拠が存在し、各方面の施策や問題を包括的に解説する責任があります。

地方や民間での使用

また、白書は中央政府だけでなく、地方公共団体や民間の団体でも使用されています。例えば、東京都が発行する環境白書や、横浜市の市民生活白書などがあります。民間企業や団体でも独自の白書を発行することがあり、その目的は企業の透明性を高めることや、社会的責任を果たすことにあります。

結論

白書は、政府の施策や現状を国民に知らせ、理解を深めるための重要な文書です。法的、制度的な背景を持つこれらの文書は、社会の動向を理解し政策の透明性を確保するために不可欠です。このため、白書は政府と国民との情報共有の重要な役割を果たしています。

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