盛岡南公園球技場

盛岡南公園球技場（もりおかみなみこうえんきゅうぎじょう）は、岩手県盛岡市の盛岡南公園内に位置し、主にサッカーやラグビーなどの球技が行われる専用スタジアムです。この施設は盛岡市の所有であり、運営は公益財団法人盛岡市スポーツ協会に委託されています。2016年には岩手銀行が命名権を取得し、以降「いわぎんスタジアム」という名称で親しまれています。

歴史と概要

この球技場は、1998年に完成し、平成11年度全国高等学校総合体育大会の開催をきっかけに利用が進みました。主にサッカー競技のメイン会場として活用され、数多くのスポーツイベントがここで行われてきました。

2006年には、Jリーグ加盟を目指すグルージャ盛岡がホームスタジアムを確保するため、Aグラウンドを5000人規模に改修する計画が発表されました。また、2014年にはJ3リーグに加入した際、入場可能人員は2466人に設定されました。これに伴い、観客席のキャパシティに関しての見直しや改修のニーズも浮上しました。

当球技場には照明設備がなかったため、2016年に改正されたスタジアム基準に基づき、照明の設置を求める声が高まりました。市民による署名活動が実施され、2019年には盛岡市に対して照明設備設置の要望書が提出されました。その結果、2020年に盛岡市は設計・施工のプロポーザルを行い、着工後、2021年にLED照明が設置されることとなりました。この照明設備はJリーグの公式戦を開催するための要件を満たしています。なお、実施にあたってはグルージャ盛岡の主要株主である企業からの支援も受けました。

2020年9月には、グルージャ盛岡がJ2ライセンスの申請を行い、承認されました。2024年までの建設計画が必要となり、2029年度までのスタジアム整備も求められています。しかし、盛岡市の担当者は、既存のいわぎんスタジアムの改修は新設と同等の費用がかかる可能性があるとする意見を述べており、クラブはより交通アクセスの良い地域での新設を希望しています。

一方で、クラブの方針として、2023年時点では当球技場の改修を視野に入れています。秋田豊代表は「観客席は個別に分かれていないため、指定席が難しい。屋根のない席になるため、雨天時などには観客への配慮が足りていない」といった現状を訴えています。投稿された内容からは、老朽化だけでなく、施設としての機能強化が急務であることがうかがえます。

施設情報

このスタジアムのグラウンドは天然芝が二面あり、観客席はAグラウンド（東側）とBグラウンド（西側）合わせて4946人の収容が可能です。内訳はメインスタンド1446席、バックスタンド2500人の立見席、サイドスタンド1000人という構成になっています。2021年にはAグラウンドにLED照明が設置され、1,500ルクスの明るさで観客に良好な視界を提供します。また、モバイル電光掲示板も設置されています。

イベントとアクセス

盛岡南公園球技場では、サッカーの試合だけでなく、様々なスポーツイベントが行われています。例を挙げると、天皇杯や女子サッカーリーグ、地域リーグ戦などが開催され、またラグビー公式戦も実施されています。特にグルージャ盛岡のホームゲームは地域のスポーツファンにとって、重要なイベントとなっています。

アクセス方法としては、最寄りの岩手飯岡駅から徒歩で約15分、盛岡駅からはバスや自家用車でのアクセスも便利です。特にグルージャ盛岡が主催するホームゲームの日には、盛岡駅からシャトルバスも運行され、ファンにとってアクセスしやすい環境が整えられています。

盛岡南公園球技場は、地域のスポーツ振興に寄与し、様々なイベントを通じて市民とのつながりを深める大事な役割を果たしています。今後も新たな取り組みや改善が期待される施設です。

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