知多奥田駅

知多奥田駅（ちたおくだえき）は、愛知県知多郡美浜町に設置されている名古屋鉄道知多新線の鉄道駅です。駅番号はKC22が付与されています。この駅は、近隣にある日本福祉大学の美浜キャンパスや、行楽施設として知られる南知多ビーチランドへの最寄り駅として機能しており、名古屋鉄道の運行する特急を含む全ての営業列車が停車する主要駅の一つです。

歴史

知多奥田駅は、1975年（昭和50年）7月6日に知多新線の一部として開業しました。開業当初は駅員が配置されない無人駅として営業を開始しました。翌1976年（昭和51年）4月4日には知多新線が野間駅まで延伸されたことに伴い、この駅は路線の途中駅となりました。駅の機能が大きく向上したのは1983年（昭和58年）4月です。当駅の近傍に日本福祉大学が開校したことを契機として、それまで通過していた特急列車が停車するようになり、利用者増に対応するため一部の時間帯に駅員が配置されるようになりました。時代の変化に合わせて、1987年（昭和62年）5月には自動改札機が設置され、利用者の利便性が向上しました。1999年（平成11年）5月10日には、これまで一部が通過していた特急列車も含め、全ての営業列車が停車する駅となり、停車本数が増加しました。交通系ICカードへの対応も進み、2007年（平成19年）7月14日にプリペイドカードシステム「トランパス」が導入された際には、同時に終日駅員が配置される有人駅となりました。その後、2011年（平成23年）2月11日にはICカード乗車券「manaca」のサービスが開始され、利用可能となりました。トランパスのサービスは2012年（平成24年）2月29日に終了しました。そして、2024年（令和6年）9月28日からは運営体制が変更され、特殊勤務駅となり、平日のみ駅員が配置され、土曜日・日曜日は終日無人での営業となっています。

駅構造

知多奥田駅は、列車が行き違い可能な相対式ホーム2面2線を有する高架駅です。駅舎や改札口は高架下の1階部分とホーム階を結ぶ構造になっています。ホームの有効長は6両分となっており、名古屋方面や河和・内海方面へ向かう8両編成の列車が停車する際には、進行方向の後ろ2両のドアが開かない締切扱いとなりますので注意が必要です。配線としては、一線スルー方式は採用されておらず、基本的に列車の進行方向左側のホームに停車する構造です。ただし、場内信号機や出発信号機が両方向に対応して設置されているため、上下線どちらのホームにも入線が可能であり、この駅での折り返し運転も技術的に可能です。この折り返し機能を活用し、日本福祉大学の卒業式などで多くの利用が見込まれる日には、当駅を始発・終着とする臨時列車が運行された実績があります。

現在の駅員配置は特殊勤務駅の形態をとっており、駅窓口での対応は平日7時から12時、13時から19時30分の時間帯のみ行われます。土曜日・日曜日は窓口は休業し、駅員は配置されません。管理業務は知多半田駅が行っています。改札口は2階に位置しており、自動券売機（継続manaca定期券や新規manaca通勤定期券の購入に対応していますが、時間帯によってはクレジットカード利用に制限があります）と自動精算機（ICカードへのチャージも可能）がそれぞれ1台ずつ設置されています。駅の高架下1階部分には「ヤングプラザ」と呼ばれるスペースがあり、地元のテナント（飲食店2軒、不動産屋など）が入居しています。駅構内には、バリアフリー設備としてエレベーターが設置されており、高齢者や障がいのある方、大きな荷物を持った方なども安心して利用できるよう配慮されています。知多新線内では、2023年9月30日に富貴駅が無人化されて以降、この知多奥田駅が平日のみとはいえ改札業務を行う唯一の駅となっています。

利用状況

知多奥田駅の利用状況は、年度によって変動が見られます。たとえば、近年では「移動等円滑化取組報告書」によると、2020年度の1日平均乗降人員は3,626人でした。少し遡ると、『名鉄120年：近20年のあゆみ』によれば2013年度には1日平均6,253人の乗降があり、これは当時の名鉄全駅中63位、河和線・知多新線内では7位に位置していました。さらに古いデータとして、『名古屋鉄道百年史』に掲載されている1992年度のデータでは、1日平均乗降人員は7,542人で、名鉄全駅中60位、河和線・知多新線内では6位でした。これらの数値からは、ピーク時に比べて利用者は減少傾向にあることがうかがえます。しかしながら、知多新線のみの駅としては最も利用客が多い駅であり、沿線における拠点駅の一つとしての役割を果たしています。

駅周辺

駅の周辺は、東側と西側で異なる様相を見せています。

東側（美浜町河和方面）は、広大な田畑が広がる農業地帯が中心ですが、駅のすぐ近くには知多奥田駅の主要な利用者層である日本福祉大学の美浜キャンパスおよび付属高等学校が立地しています。また、愛知県道275号奥田河和線が通っています。かつては静かな農村風景が広がっていましたが、美浜町による開発計画が進められており、知多奥田駅の東側には陸上競技場を中心とした運動公園の整備が予定されています。陸上競技場などは2024年に先行開業しましたが、公園全体の完成は当初予定より遅れ、2028年頃となる見込みです。

西側（伊勢湾方面）は、駅からは少し離れた海寄りの国道247号沿いに奥田地区の中心部があり、徒歩で10分程度かかります。このエリアには、美浜町立奥田小学校をはじめ、観光施設である南知多ビーチランド（駅からの案内看板があり、徒歩15分程度）、地域の生活を支える美浜郵便局、三菱UFJ銀行ATMコーナー、知多信用金庫奥田支店などが点在しています。宿泊施設としては、旧かんぽの宿である亀の井ホテル知多美浜や、縁結びで知られる恋之水神社もこの方面に位置します。

駅前からは、美浜町が運行する巡回ミニバス「自然号」の西部コースが発着しており、上野間駅・役場方面や野間公民館方面への移動手段として利用できます。かつては知多バスによる南知多ビーチランドへの直通バス「ビーチランド線」が土休日などに運行されていましたが、こちらは2013年（平成25年）3月15日をもって廃止されました。周辺の宿泊施設による送迎バスの発着設定もあります。

隣の駅

名古屋鉄道
KC 知多新線

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美浜緑苑駅 (KC21) - 知多奥田駅 (KC22) - 野間駅 (KC23)

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