砺波市美術館

砺波市美術館：芸術と自然が融合する空間

砺波市美術館は、富山県砺波市高道に位置する公立美術館です。砺波チューリップ公園の東側にあり、美しい自然に囲まれた環境が魅力となっています。

この美術館は、1997年の開館にいたるまで、ユニークな歴史を歩んできました。前身は、1988年から1993年まで存在した『アートスペース砺波』です。これは、日本製麻所有の遊休倉庫を活用した、当時日本で唯一の公共倉庫美術館でした。道路拡幅工事のため閉鎖を余儀なくされたことをきっかけに、新しい美術館建設の機運が高まり、市民の熱意と砺波市の積極的な取り組みによって、現在の砺波市美術館が誕生しました。

美術館の設計は、京都の梶川美術研究所が担当し、総事業費19億5千万円をかけて建設されました。鉄筋コンクリート造りの地上3階建てで、敷地面積9,031平方メートル、延床面積3,365平方メートルを誇る近代的な施設です。

館内は、充実した展示空間と市民のための施設が調和しています。1階には企画展示室、収蔵庫、エントランスホール、ラウンジ、情報コーナーなどが配置され、来館者を温かく迎え入れます。2階は常設展示室3室の他、市民ギャラリー、市民アトリエ（北陸地方初設置）、版画室、写真暗室などを備え、市民参加型の活動にも積極的に取り組んでいます。市民ギャラリーと市民アトリエは、有料で市民に貸し出しも行われ、地域文化の発展に貢献しています。3階には、立山連峰の雄大な景色を一望できる展望プロムナードとテラスがあり、心安らぐひとときを提供します。

美術館では、常設展示と企画展示が交互に行われ、多様な芸術作品を鑑賞することができます。JR砺波駅や北陸自動車道砺波ICからもアクセスしやすい立地も魅力の一つです。開館時間は10時から18時（入館は17時30分まで）、休館日は年末年始（12月29日～1月3日）と臨時休館日です。入館料は大人210円、小・中・高校生100円（企画展は別料金）です。駐車場は約70台分用意されています。

砺波市美術館は、単なる美術鑑賞の場にとどまらず、地域社会に開かれた文化拠点として、市民参加型のイベントやワークショップなども積極的に開催しています。砺波チューリップ公園、チューリップ四季彩館、砺波郷土資料館、砺波市文化会館などの周辺施設と連携し、砺波市の文化観光を支える重要な役割を担っています。

スローガンである『砺波から新しい芸術の流れ』を体現するように、砺波市美術館は、地域に根ざした活動を続けながら、現代美術の新たな地平を切り開くべく、その活動を展開し続けています。

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