神戸市立小磯記念美術館

神戸市立小磯記念美術館：洋画の巨匠、小磯良平の世界に触れる

神戸市立小磯記念美術館は、兵庫県神戸市東灘区六甲アイランドに位置する、個人美術館としては全国屈指の規模を誇る施設です。1992年の開館以来、洋画家・小磯良平の画業を顕彰し、その作品群の保存・研究、そして広く一般への公開を目的として運営されています。

小磯良平と美術館の歩み

小磯良平（1893-1988）は、神戸市名誉市民であり、日本の近代洋画を代表する巨匠の一人です。その没後、遺族から2000点を超える作品、アトリエ内の備品、そして貴重な図書資料などが神戸市に寄贈されました。この寄贈を機に、小磯良平の功績を後世に伝えるため、美術館の建設が決定。1990年には神戸市立博物館で受贈記念特別展が開催され、大きな反響を呼びました。そして、1992年11月、現在の地に神戸市立小磯記念美術館が開館したのです。

開館以来、多くの来館者を集め、2008年には入館者数100万人を突破するなど、地域社会に深く根付いた存在となっています。1995年の阪神・淡路大震災では被災しましたが、その後見事に復旧し、活動を再開。現在も、小磯良平の作品を通して、多くの人々に感動と創造の息吹を届けています。

美術館の見どころ

美術館は、約4000㎡の延床面積を有し、3つの展示室を備えています。収蔵作品は約2500点にも及び、小磯良平の代表作はもちろん、初期から晩年までの作品を幅広く網羅しています。特に注目すべきは、1926年の「自画像」や1936年の「着物の女」、1949年の「二人裸婦」など、小磯良平の画業の軌跡をたどることができる貴重な作品群です。さらに、他の作家の作品も所蔵し、多角的な視点からの鑑賞を可能にしています。

また、美術館の大きな特徴として、小磯良平のアトリエが、昭和24年竣工当時の状態に忠実に復元され、移築されている点が挙げられます。このアトリエは、小磯良平の創作活動の空間そのものを体感できる貴重な場所です。

展示室以外にも、ハイビジョンギャラリーでは小磯良平や世界の名画を紹介する映像作品を常時上映。図書コーナー、絵画学習室、喫茶室、ミュージアムショップなども完備されており、一日中楽しむことができます。

小磯良平大賞展

美術館では、国内最高賞金（1000万円）を誇る公募展「小磯良平大賞展」をトリエンナーレ形式で開催しています。この展覧会は、日本の現代美術をリードする重要なイベントとして、国内外から注目を集めています。

アクセスと周辺情報

美術館は、六甲ライナーのアイランド北口駅から徒歩3分の場所に位置しています。2018年7月からは、ネーミングライツにより最寄り駅に「小磯記念美術館前」の副駅名も付きました。周辺には、神戸ファッション[[美術館]]、神戸ゆかりの美術館、神戸ファッションマートなど、文化施設が充実しており、観光にも最適な立地です。

まとめ

神戸市立小磯記念美術館は、小磯良平の芸術に触れ、その魅力を深く理解できる、充実した施設です。六甲アイランドを訪れた際は、ぜひ足を運んでみてください。

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