秋元雄史

秋元雄史は、1955年東京都に生まれ、東京藝術大学美術学部絵画科を卒業後、美術評論家、キュレーターとして多岐にわたる活動を展開しています。

1991年から2004年までベネッセコーポレーションに勤務し、美術館運営責任者として、国吉康雄美術館やベネッセアートサイト直島の企画・運営に携わりました。特に直島では、家プロジェクトの立ち上げから、ジェームズ・タレルや安藤忠雄といった著名なアーティストと協働し、地域とアートが融合する独創的な空間を創出しました。モネの《睡蓮》をきっかけに構想された地中美術館では、サイト・スペシフィックな建築とアートが一体となった空間を実現させ、国内外から高い評価を得ています。

2007年からは金沢21世紀美術館の館長を10年間務め、数々の国際的な展覧会を企画しました。ルーブル美術館やポンピドゥー・センターとの共同企画展を開催するなど、アジアの現代美術から建築、工芸、デザインまで、幅広い分野に焦点を当てた展覧会を開催し、金沢の文化振興に大きく貢献しました。また、屋外作品では、オラファー・エリアソンの「カラー・アクティビィティ・ハウス」や、建築家グループSANAAによる「まる」を設置し、美術館の魅力を高めました。

自身の企画展では、「工芸未来派」展や「柿沼康二 書の道 “ぱーっ”」展、「生誕百年記念井上有一」展などを開催し、現代美術における工芸の可能性を追求しました。また、金沢・世界工芸トリエンナーレではディレクターを務め、新しい時代の工芸を世界に発信しました。

国際交流展にも積極的に関わり、台湾や韓国での展覧会を企画、国際的な視野を持って活動を続けています。また、「ジャポニズム2018」では、井上有一の展覧会をパリとトゥールーズで開催し、日本の書を海外に紹介する活動も行いました。その他、東京藝術大学大学美術館館長、練馬区立美術館館長などを歴任し、日本の美術界の発展に尽力しています。

秋元雄史は、その著書を通じて、現代美術の理解を深めるための解説を行っています。著書には、「日本列島『現代アート』を旅する」や「工芸未来派　アート化する新しい工芸」、「直島誕生　過疎化する島で目撃した『現代アートの挑戦』全記録」などがあり、美術に関心のある一般読者にもわかりやすく、現代美術の魅力や背景を伝えています。さらに、「アート思考　ビジネスと芸術で人々の幸福を高める方法」では、美術的思考をビジネスに活用する可能性を提示し、社会への貢献を目指しています。

秋元雄史は、美術館運営、展覧会企画、執筆活動を通じて、現代美術の普及と振興に大きく貢献しており、その多岐にわたる活動は、国内外の美術界に多大な影響を与え続けています。

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