紅の夢

紅の夢（くれないのゆめ）

紅の夢は、その名の通り、果肉が鮮やかな紅色を帯びる珍しいリンゴの品種です。青森県で生まれたこのリンゴは、偶然の出会いが生んだ奇跡とも言えるでしょう。

誕生秘話：偶然が生んだ赤い宝石

1994年、弘前大学農学生命科学部附属生物共生教育研究センター藤崎農場では、紅玉とスターキングデリシャスを交配させる育種研究が行われていました。その過程で、園内にあったエターズゴールドの台木に使われていた無名品種と自然交雑が起こり、偶然にも紅の夢が誕生したのです。そして、長年の研究の末、2010年に品種登録されるに至りました。

DNA解析の結果、父品種がスターキングデリシャスではないことが判明し、調査の結果、エターズゴールドとされる木が父品種と特定されました。しかし、本来のエターズゴールドは果肉が黄色いのが特徴です。そのため、エターズゴールドとして認識されていた木は、実際には枯れてしまったエターズゴールドの台木から生長した無名の品種であると推定されています。したがって、紅の夢の父品種は、現在も不詳のままです。

地域との連携：給食での試食会

紅の夢は、地域との連携も大切にしています。平川市内の加工業者の協力を得て開発した試作品は、平川市立碇ヶ関中学校の給食で試食会が行われ、生徒たちから大変な好評を得ました。新しい特産品が、地元の子供たちに愛されることは、生産者にとって大きな励みとなるでしょう。

栽培実証園の開園とブランド化への挑戦

2013年8月30日には、平川市内の農家の協力を得て、栽培実証園が開園しました。また、東京のレストランのシェフ、山本秀正氏や原田慎次氏らの協力を得て、紅の夢を使った特別料理が考案され、宣伝活動「青森りんごマルシェ」で提供されるなど、ブランド化に向けた活動も積極的に行われています。

今後の展望

紅の夢は、その美しい色合いと独特の風味で、多くの人々を魅了する可能性を秘めています。今後の栽培技術の向上や、加工品の開発、そして積極的な広報活動によって、青森県を代表するリンゴとして、さらに広く知られるようになることが期待されます。

外部リンク

* 弘前大学育成新品種りんご「紅の夢」公式ホームページ

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