組曲『ニコニコ動画』

組曲『ニコニコ動画』とその系譜

「組曲『ニコニコ動画』」は、ニコニコ動画のユーザー「しも」が制作したメドレー動画シリーズの原点です。この動画は、ニコニコ動画黎明期に人気を博した楽曲を、DTMで打ち込み繋ぎ合わせたもので、その斬新な構成と中毒性の高さから、多くのユーザーを魅了しました。名称に「組曲」とありますが、実際には既存の楽曲をメドレー形式で繋いだものです。

概要

シリーズは、初期のニコニコ動画で人気だった楽曲をメドレー形式にしたもので、動画部分はWindows Media Playerの視覚エフェクトのキャプチャが使用されています。アニメの本編映像やVOCALOID楽曲のPVなどは使用されていません。

シリーズの変遷

ニコニコ動画中毒の方へ贈る一曲
シリーズの前身となる約5分のメドレー。全15曲で構成されています。この作品に収録された楽曲は、後の組曲『ニコニコ動画』にも引き継がれています。
組曲『ニコニコ動画』
約10分のメドレーで、全33曲が収録されています。シリーズの中核をなす作品で、多くの視聴者に衝撃を与えました。
ニコニコ動画物語.wav
組曲の約3ヶ月後に投稿された約26分のメドレーです。全56曲で構成され、シリーズ最長の作品です。曲の削除や追加が行われた修正版も存在し、最後の「ラッシュ」部分は、後のメドレー作品にも影響を与えました。
ニコニコ動画流星群
物語の約半年後に投稿された約14分のメドレーです。全48曲で構成され、既存曲と新規曲が組み合わされています。
七色のニコニコ動画
流星群の約1年後に投稿された約12分のメドレーです。全73曲で構成され、メイン部分は新規楽曲で構成されています。最後の「ラッシュ」部分では、既存の楽曲が使用されています。
未発表作品
しもは第6作目を製作中でしたが、HDDのクラッシュにより製作が中止となりました。しかし、製作途中のデータがネット上に流出し、「Death to Simoyuki - ニコメド6」として視聴可能です。
ガチムチ動画男尻祭
2015年、約3年ぶりに投稿された「ガチムチ動画男尻祭4」など、ニコニコメドレーとは異なる作品も制作されています。

シリーズの歴史

2007年06月05日: 「ニコニコ動画中毒の方へ贈る一曲」投稿
2007年06月23日: 「組曲『ニコニコ動画』」投稿
2007年09月09日: 「ニコニコ動画物語.wav」投稿（9月18日修正版投稿）
2008年04月11日: 「ニコニコ動画流星群」投稿
2009年06月03日: 「七色のニコニコ動画」投稿
2011年04月23日: 「組曲『ニコニコ動画』改」投稿
2012年04月15日: 「超組曲『ニコニコ動画』」投稿

影響と反響

「組曲『ニコニコ動画』」は、ニコニコ動画におけるメドレー文化の確立に大きく貢献しました。この作品をきっかけに、多くのユーザーが「歌ってみた」や「演奏してみた」動画を投稿するようになり、多様な音楽表現が生まれました。

歌ってみた文化の隆盛

本シリーズの公開後、多くのユーザーが楽曲を伴奏に歌唱パートを加えた「歌ってみた」動画を投稿しました。この流れは、それ以前から存在したものの、本シリーズをきっかけに爆発的に増加し、ニコニコ動画における歌ってみた文化を確立する上で重要な役割を果たしました。

多彩な表現の誕生

歌だけでなく、リコーダー、ピアノ、ヴァイオリン、篠笛、太鼓、箏など、様々な楽器を使った「演奏してみた」動画も多く投稿されました。これらの歌や演奏をミックスして合唱や合奏としたり、オーケストラによる演奏も行われるなど、表現の幅を大きく広げました。

ニコニコメドレー文化の形成

「組曲『ニコニコ動画』」に影響を受け、メドレー動画を制作するユーザーも現れました。これらの動画は「ニコニコメドレーシリーズ」としてまとめられ、ニコニコ動画におけるメドレー文化を形成する上で重要な役割を果たしています。

ランティス組曲への影響

シリーズの原曲を繋げてメドレーにするという手法は、「ランティス組曲」にも影響を与えました。これは、ニコニコ動画で活躍した歌い手たちを集めて制作されたもので、本シリーズのメドレー構成が、広く認知されたことを示しています。

作品と使用楽曲

シリーズの各作品には、それぞれ特徴的な楽曲が使用されています。各作品の使用楽曲は以下の通りです。

ニコニコ動画中毒の方へ贈る一曲
（具体的な曲名は割愛）
組曲『ニコニコ動画』
（具体的な曲名は割愛）
ニコニコ動画物語.wav
（具体的な曲名は割愛）
ニコニコ動画流星群
（具体的な曲名は割愛）
ニコニコ動画流星娘
ニコニコ動画流星群のショートアレンジ
七色のニコニコ動画
（具体的な曲名は割愛）
七色の[ニコニコ動画]
七色のニコニコ動画のショートアレンジ
組曲『ニコニコ動画』改
組曲『ニコニコ動画』の700万再生突破記念メドレー
超組曲『ニコニコ動画』
ニコニコ超会議への楽曲提供として制作されたメドレー

削除騒動

2007年と2008年に、権利者削除と思われる事象が発生しました。動画は一時的に視聴不能となりましたが、その後復活しました。現在、公式なコメントはありません。

他作品への影響

組曲『らき☆すた動画』
「組曲『ニコニコ動画』」をリスペクトした作品で、「らき☆すたRe-Mix002」に収録されています。
ランティス組曲 feat.Nico Nico Artists
* 「組曲」として楽曲をメドレー形式に繋いだ作品で、本シリーズの構成が影響を与えています。

まとめ

「組曲『ニコニコ動画』」は、ニコニコ動画の歴史において非常に重要な作品です。この作品がなければ、その後のメドレー文化や歌ってみた文化は、これほど隆盛することはなかったかもしれません。その影響力は、音楽、動画文化だけでなく、インターネット文化全体に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

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