経絡治療

経絡治療とは

経絡治療は、東京鍼灸医学校の校長であった柳谷素霊の ученици である岡部素道と井上恵理、そして新聞記者から鍼灸師へと転身した竹山晋一郎が中心となり、創り上げられた鍼灸治療の一つの形です。経絡の虚実を調整することで、身体全体のバランスを整え、症状の根本的な改善を目指します。

その治療のモデルとなったのは、茨城県で西村流の流れを汲む八木下勝之助の臨床です。八木下の治療法は、経絡治療の基礎を築く上で大きな影響を与えました。

治療内容

経絡治療は、以下の手順で進められます。

1. 脈診: 治療方針を決定するために、脈の状態を詳細に診ます。問診や腹診も同時に行い、患者の状態を総合的に把握します。
2. 本治法: 身体の根本的な原因にアプローチする治療法です。手足の要穴に鍼を施し、五臓の虚実を調整します。
3. 標治法: 症状に対する対症療法です。身体の表面に現れた変化を観察し、その状態に合わせて治療を行います。
4. 脈診: 治療後の脈の状態を確認し、予後を判断します。

本治法について

本治法では、全ての病症を「本」と「標」に分け、その「本」となる病症を五行（五臓）に分類して治療を行います。「本」とは病気の根幹を意味し、「標」とは枝葉、つまり表面に現れた症状を指します。手足の五行穴を、難経六十九難の法則（補母瀉子）を用いて選び、五臓の虚実に対して経絡を補瀉することで治療効果を高めます。

標治法について

標治法では、体の表面の変化を指先での触診で感じ取ったり、目で見た皮膚の変化などを観察し、その状態に合わせて治療を施します。これにより、症状の緩和や改善を目指します。

参考文献

首藤伝明 著『経絡治療のすすめ』医道の日本社（1983年：ISBN 978-4-7529-1042-8）
大上勝行 著・池田政一 著『図解 よくわかる経絡治療講義』医道の日本社（2014年：ISBN 978-4-7529-1142-5）
* 岡田明三 監修『名人たちの経絡治療座談会（医道の日本アーカイブス）』医道の日本社（2015年：ISBN 978-4-7529-1147-0）

これらの文献は、経絡治療をより深く理解するための参考となります。

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