総理と呼ばないで

テレビドラマ『総理と呼ばないで』について

『総理と呼ばないで』は、1997年4月から6月にかけてフジテレビ系列で放送された日本のテレビドラマで、英語タイトルは「FAREWELL, MR. PREMIER」となっています。この作品は、脚本家・三谷幸喜によって制作され、主演には田村正和が抜擢されました。全体としてはホームコメディと政治ドラマの要素が絡み合った、ユーモラスかつ深い内容が魅力です。

概要

物語は内閣総理大臣一家を中心に展開し、主人公がダメな男として成長していく様子を描くことが主なテーマです。企画段階で石原氏は、主人公の設定として「誰もが成長する姿を見せられるように」と考慮した結果、最高権力者である総理大臣を選びました。三谷氏は、日本における政治の日常をあまり知られない視点から描きたいという意図があり、主人公には田村正和を選ぶことで品位を保ちながらも視聴者に楽しんでもらえるキャラクターを演じてもらいました。

ユニークな特色の一つに、登場人物が固有名詞ではなく肩書きのみで呼ばれる点があります。これにより、政治ドラマとは思えないフィクション感を出し、「民自党」などの現実の政党名が登場することを避けているのです。この脚本は三谷のオリジナルであり、架空の国を舞台にしながらも、時折日本を想起させる要素も含まれています。

あらすじ

物語は、汚職事件によって多くの総理候補が失脚した後、支持率の低い内閣状況の中始まります。支持率が1.8%にまで落ち込んだ主人公の総理は、「汚職に無縁」という理由で突如として首相に就任することに。無能な上にワガママで短気な性格の彼は、国民からも内閣メンバーからも人気がなく、メディアからの厳しい批判にさらされていました。

後任の官房長官が辞任したことを受け、彼は娘の家庭教師として出会ったばかりの若き大学院生を次の官房長官に任命します。本人が政界の実情を知らない中での急な任命は、場当たり的な政策として周囲からの評価は低く、結局効果を上げることは困難でした。このようにして政権は一時的に困難な状況に立たされ、最終的には「歴代最短内閣」という汚名を避けるためにも彼らはあらゆる手段を尽くします。

登場人物

現政権

• - [内閣総理大臣] - 田村正和演じる歴代最悪とされる総理。家族を含む国民からの支持がまったく得られず、自身の無能さに悩むことも多く、物語を通じて成長していく。
• - 内閣官房長官(24) - 筒井道隆が演じる官房長官。政治とは無縁ながらも、ポジションに選ばれていく経緯と苦悩。
• - 副総理、首席補佐官、内閣官房事務副長官など、多様な個性を持つ登場人物たちがそれぞれの役割を果たし、緊迫した政治情勢の中で奮闘します。

他のポイント

最初の視聴率は22.6%を記録し、好スタートを切りましたが、徐々に視聴率は下がっていきました。それでも最終回では18.9%を回復し、多くの視聴者の印象に残る作品となりました。

『総理と呼ばないで』は、1997年のVHS化から長い間再録されることはありませんでしたが、2010年にDVD-BOXが発売され、2023年からはFODでの再配信が開始されました。主人公の成長物語と、ユーモアが織り交ぜられた形での政治ドラマとして、多くのファンに愛された作品です。

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