練り消しゴム

練り消しゴムとは

練り消しゴムは、一般的な消しゴムとは異なり、粘土のように柔らかく、自由に形を変えられる文房具です。「ねりけし」とも呼ばれ、画材店では「練りゴム」という名称で販売されています。その特徴的な性質から、デッサンなどの美術用途で広く用いられています。

特徴

練り消しゴムの最大の特徴は、その柔軟性と粘着性にあります。力を加えることで容易に形を変えることができ、まるで粘土のように扱うことができます。また、粘性が強く、糊のようにくっつきやすい性質も持っています。

消しゴムとしての機能は、通常の消しゴムのように紙面をこすって黒鉛を剥がし取るのではなく、押し付けるようにして黒鉛を吸着させる点にあります。これにより、消しカスが出ず、汚れを内側に巻き込むようにして使うことができます。

使い方

練り消しゴムは、細かい部分を消す際に、小さくちぎったり細く伸ばしたりして使用します。デッサンのように、濃い筆記具で弱い筆圧で描かれた線は、紙に付着している黒鉛の量が多いため、通常の消しゴムでこすると黒鉛が伸びてしまい、かえって紙面を汚してしまうことがあります。また、デッサンでは目の粗い画用紙を使用することが多いため、こすることで紙面を傷める可能性もあります。

練り消しゴムは、黒鉛を吸着させるため、紙面を傷つけることなく、きれいに消すことができます。また、色鉛筆のぼかし表現にも利用されることがあります。ただし、消字性は通常の消しゴムに比べると低いため、完全に消しきれない場合もあります。そのため、デッサンでは、消し跡が残ることで、後から手順や正確性を確認できるという利点もあります。

その他の用途

練り消しゴムは、デッサンの現場では、その柔軟性を活かして、即席の絵のモデルとして使われることもあります。また、子供向けの文房具としても販売されており、粘土のように遊べることから、香料を添加して香り付きのものも多く見られます。子供は濃い鉛筆を使うことが多いため、実用性だけでなく、遊び道具としての側面も持ち合わせています。

練り消しゴムは、その独特な性質から、美術用途だけでなく、様々な場面で活用されています。柔軟性と粘着性を活かした使い方ができる、多機能な文房具と言えるでしょう。

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