職藝学院

職藝学院

職藝学院（しょくげいがくいん）は、富山県富山市にキャンパスを構える私立の専修学校です。ここでは、日本の伝統文化や建築、庭園造りに関わる専門技術を、実践的な実習を通じて習得することを目指しています。特に、大工や庭師といった、ものづくりの担い手を育成することを使命としており、このような専門分野に特化した教育機関は富山県内において希少な存在として位置づけられています。

広大な敷地面積は約17,530平方メートルに及び、学生たちが実際の作業環境に近い形で学べる環境が整えられています。

設置学科

学院には、専門分野に応じた学科およびコースが設置されています。

本科（修業年限：2023年度より1年制に短縮）
建築職藝科：建築大工、家具大工、建具大工といった木材に関わる多様な技術を学びます。
環境職藝科：造園師、園藝師として、庭園設計や植物に関する専門知識・技術を習得します。
研究科（修業年限：1年）
建築職藝研究科：本科建築職藝科の各分野（建築、家具、建具）をさらに深く研究する専攻コースが設けられています。
環境職藝研究科：本科環境職藝科の各分野（造園、園藝）をさらに深く研究する専攻コースが設けられています。

近年の生徒数の減少傾向を受け、2023年度からは本科の修業年限が2年から1年に短縮される措置が取られました。

学院の沿革

学院の設立には、様々な準備と困難がありました。その歩みは以下の通りです。

1992年4月：富山国際職藝学院設立準備委員会が発足し、学院設立に向けた活動が開始されました。
1995年9月：建設計画が進み、起工式が執り行われました。
1996年1月：富山県より、富山国際職藝学院および学校法人富山国際職藝学園の設立が正式に認可されました。
1996年4月：当初の目標より1年遅れてしまいましたが、富山国際職藝学院として念願の開校を迎えました。
2002年：開校から数年を経て、入学者が101名を数え、一つのピークを迎えました。
2006年4月：学院の名称が、現在の「職藝学院」へと改められました。
2023年度：生徒数の減少に対応するため、本科の修業年限を1年制に短縮する変更が行われました。
2025年度（予定）：現在の状況を鑑み、一旦生徒の募集を停止することが決定されています。ただし、これはあくまで一時的な措置であり、3年後以内の募集再開を目指す意向が示されています。

設立時の背景と資金調達

実は、当初は1995年4月の開校を目指していましたが、資金面での困難に直面し、開校が1年間延期される事態となりました。この危機を乗り越えるため、1994年7月には募金委員会が設置され、積極的な募金活動が展開されました。その結果、同年年末までには3億3,900万円という多額の寄付金が集まりました。加えて、当時の大山町（現在は富山市の一部）からも1億6,100万円の補助金支出が議決されるなど、合計で6億3,800万円に上る必要な財源に見通しが立ち、無事開校に至ることができました。

交通アクセス

職藝学院への主なアクセス方法は以下の通りです。

富山駅からは、自動車でおよそ30分です。
公共交通機関を利用する場合、富山駅から富山国際大学行きの地鉄バスに乗車し、終点で下車後、徒歩で約40分程度かかります。

伝統技術の継承と発展を目指す職藝学院は、幾多の困難を乗り越えつつ、これからのものづくりを担う人材育成に貢献しています。

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