若竹

寄席若竹の歴史

寄席若竹（わかたけ）は、東京都江東区東陽に位置し、落語家の交流と公演を目的に設立された演芸場です。この寄席は、1985年に五代目三遊亭圓楽の指導のもとで開業し、1990年代初めまで多くの芸人たちが集いました。

開設までの背景

若竹は、1978年に落語協会を脱会した六代目三遊亭圓生による落語三遊協会の設立から始まります。しかし、圓生が急死した後、協会は自然消滅し、仕方なく他の一門に戻ることになりました。残った圓楽は、大日本落語すみれ会を創立し、自己資金を使用して寄席の設立が求められました。このため、1985年3月11日に若竹がオープンしました。計画には書店や喫茶スペースも含まれていましたが、主に寄席として使用されました。

寄席の特色

寄席若竹の座席は163席を有し、昼の定席興行が中心でした。主に圓楽党に所属する噺家や色物芸人が出演し、夜間はアマチュア団体による貸席営業が行われました。また、圓楽の高弟たちも独演会を次々に開催し、席亭としての役割を果たしました。興行収入の一部は弟子に要求されることが多く、これには賛否がありました。

園楽の試行錯誤

圓楽は、他の落語家にも出演の機会を提供することで、寄席若竹を開放的な場としました。その中には、落語芸術協会や落語立川流といった他流の落語家たちも含まれていたため、多様な落語会が開催されていました。しかし、円楽党ナンバー2の立川談志は、企画が成功する可能性に疑問を呈していました。

若竹の集客と閉場

若竹は、オープン当初は集客に成功し、開館から数ヶ月は狭いながらも満席状態が続きましたが、時間の経過と共に弟子たちが他の仕事を優先するようになり、営業が減少しました。また、大きな借金も響いて、最終的には1989年11月25日に閉場を決定しました。閉場時には円楽自身が最後の演目を務め、感慨深い閉幕となりました。

閉場以降の変遷

若竹は閉場後、テレビ番組などでのネタとして取り上げられたり、落語ファンの記憶に残り続けました。圓楽一門会は新たにお江戸両国亭を拠点とし、今でも寄席の伝統を受け継いでいます。かつては落語の中心地の一つであった若竹の存在は、多くのファンの心に刻まれています。

まとめ

寄席若竹は、落語の伝統を支える重要な存在でした。多くの若手落語家にとって成長の場となり、また名だたるベテランも集ったこの場は、芸の交流の場として多くの思い出を作りました。若竹が閉場した後も、寄席文化は新たな形で生き続けています。

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