苫小牧市美術博物館

苫小牧市美術博物館：郷土と自然、そして芸術の融合

苫小牧市美術博物館は、北海道苫小牧市に位置する、博物館と美術館の機能を併せ持つ複合施設です。愛称は「あみゅー」として親しまれており、地域住民にとって身近な文化拠点となっています。2013年のリニューアルオープン以前は苫小牧市博物館として運営されていましたが、美術館機能の追加によって、より充実した内容で来館者を迎えています。

歴史と歩み

同館の歴史は1960年、市立苫小牧図書館内に郷土博物館室が設置されたことに始まります。その後、青少年センターでの展示を経て、1985年に現在の場所に「苫小牧市博物館」として開館しました。開館から四半世紀後の2008年には、美術館の建設が市の総合計画に盛り込まれ、2011年、2012年と段階的に計画が進められていきました。2012年から2013年にかけて増改築工事が行われ、2013年7月27日に「苫小牧市美術博物館」としてリニューアルオープンを迎えました。

展示内容：自然、歴史、そして芸術

博物館部分は、自然史と郷土の歴史に焦点を当てた展示が中心です。1階では、勇払・樽前山の地質や自然環境、そこに生息する生物、そして静川環壕遺跡に関する展示を見ることができます。マンモスの親子像は、来館者の目を引きつける象徴的な展示物です。2階では、市内遺跡から出土した遺物、アイヌの生活文化、そして苫小牧の開拓・産業の歴史をたどることができます。特に、スケートのまちとして知られる苫小牧の歴史を伝える展示は、地元住民にとっても興味深い内容です。

一方、美術館部分は、郷土の作家を中心に、美術作品を幅広く展示しています。遠藤ミマン、砂田友治、能登正智、鹿毛正三など、苫小牧ゆかりの作家の作品を鑑賞することができます。1階と2階に複数設けられた特別展示室では、様々な企画展が開催され、変化に富んだ展示を楽しむことが可能です。中庭には、立体作品が展示され、館内全体で芸術作品に触れることができます。収蔵展示室には、自然史関連の資料やアイヌの民具など、貴重なコレクションが保管・展示されています。デジタルミュージアムコーナーでは、最新の技術を活用した展示も展開されており、時代の流れに沿った工夫が見られます。

利用案内

開館時間は午前9時30分から午後5時までで、毎週月曜日と年末年始は休館日です。観覧料は、大人300円、高校生・大学生200円となっており、こどもの日と文化の日は無料開放されます。年間観覧券も用意されているので、頻繁に利用する方にはお得です。

まとめ

苫小牧市美術博物館は、自然、歴史、そして芸術という多様な要素が調和した、魅力的な文化施設です。地域の文化を深く理解し、楽しむことができる場所として、苫小牧市民のみならず、多くの観光客にも親しまれています。地域に密着した展示内容と、最新の技術を取り入れた展示方法、そして年間を通して展開される企画展など、様々な工夫が凝らされた、充実した博物館です。

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