茨城朝鮮初中高級学校

茨城朝鮮初中高級学校の概要

茨城朝鮮初中高級学校は、茨城県水戸市に位置する朝鮮学校で、学校法人茨城朝鮮学園が運営しています。日本の小中高等学校に相当する教育を提供する非一条校であり、特に北関東および政令指定都市以外では唯一となる高級部を設置しています。この学校は、朝鮮の文化や言語を学ぶ場として重要な役割を果たしています。

沿革の歩み

この学校の歴史は1945年に始まりました。当初は、全国に国語講習所が設立される過程で、現在のつくば市に初等教育機関となる朝連タナベ初等学校が1946年2月に設置されました。その後、さまざまな地域に教育機関が立ち上がり、最終的には県内で22校に達しました。

1946年3月には朝連高等学院が土浦市に設立され、1947年には男女混合で小学校にあたる朝鮮小学校が設置されました。1948年には文部科学省の指導により、いくつかの学校を統合し朝連茨城中央小学校が誕生しましたが、同年に強制的な閉鎖令が出される困難な時期も経験しました。

その後、1953年には茨城朝鮮中学校が創立され、1955年には高級部も併設されて茨城朝鮮中高級学校に発展しました。1959年には現在の水戸市へ移転し、1960年代にはたびたび教育環境に訴える活動を積極的に行いましたが、1962年には放火事件により校舎が全焼するという試練もありました。しかし、学校は再建し、1967年に現在の名称に改名されました。

学校はその後も発展を続け、1970年に師範科や1972年には幼稚班を設置するなどして、教育の幅を広げました。1990年代には体育館の新設や、さらなるカリキュラムの充実が図られ、2019年にはGoogle Japanの訪問も実現しました。2021年には、サッカー場の整備が行われるなど、近年も多くの発展が見られています。

カリキュラムと教育体制

茨城朝鮮初中高級学校の教育体制は、初級部、中級部、高級部の3つの段階に分かれており、それぞれの年代に合わせた学びを提供しています。2005年度には特に選択コースが設けられ、朝鮮語、日本語、英語、情報の各コースが用意されており、生徒たちは多様な言語やスキルを身につけることができます。

また、学区制が採用されており、茨城県下にある他の朝鮮学校と連携しながら、北は仙台から南は埼玉まで多くの生徒が集まる地域的な教育拠点となっています。

生徒の動向と学校の特色

2021年には在籍生徒数が約61名で、その中には高級部への新入生も見受けられます。制服については、女子学生は登校時にはブレザーを着用し、授業中には伝統的なチマチョゴリに着替えるスタイルが取られており、安全を考慮した制度が導入されています。部活動では空手部があり、文化交流や社会参加の一環として年間行事も充実しています。

このように茨城朝鮮初中高級学校は、ただ教育を提供するだけでなく、朝鮮文化の継承と発展を図る重要な役割を果たし続けているのです。

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