菊池小巻

菊池 小巻

1997年2月22日、熊本県熊本市に生まれた菊池小巻は、日本の女子フェンシング界で注目される選手です。専修大学商学部マーケティング学科を卒業後、プロフェッショナルとしてのキャリアを歩み始めました。

菊池選手がフェンシングと出会ったのはわずか4歳の頃でした。彼女のフェンシング人生は、両親の影響から始まっています。特に父親は地元の熊本市でクラブのコーチを務めており、幼い頃から兄や姉と共に父の指導のもとで練習に打ち込みました。4人兄弟の次女として、7歳上の兄と5歳上の姉に囲まれた環境は、彼女の競争心を強く育てたようです。「お兄ちゃんやお姉ちゃんはできるのに、どうしてできないの？」という父親の言葉は、幼き日の彼女に「負けたくない」という強い向上心を与え、兄弟を追いかける原動力となりました。

熊本県立翔陽高等学校を経て、2015年には専修大学フェンシング部に入部。大学時代からその才能を開花させ、国内外の大会で目覚ましい成績を収めるようになります。特に、2016年のフェンシングアジアジュニア選手権大会では個人と団体で優勝を果たすなど、若手選手としての地位を確立しました。

大学卒業後は、セガサミーホールディングスに所属。競技活動に専念する一方で、フェンシングの魅力を広める広報活動にも積極的に関わりました。

そして、2024年、菊池選手はフェンシング選手として最大の舞台であるパリオリンピックの女子フルーレ団体リザーブメンバーに選出されます。現地時間8月1日に行われた3位決定戦、対カナダ戦で、彼女は重要な局面でピストに立ちました。東晟良選手、上野優佳選手、宮脇花綸選手と共にチームの一員として臨んだこの試合、宮脇選手と途中交代する形で2試合に出場。いずれの試合もカナダとの点差を広げることに貢献するという、チームにとって極めて価値のある役割を果たしました。

緊迫した展開となった試合は、最終的に日本が33-32という僅差でカナダに勝利。この勝利は、日本女子フェンシングにとって歴史的な瞬間となりました。オリンピックにおいて、個人・団体を通じて日本女子として初のメダルとなる銅メダルを獲得したのです。

菊池小巻選手のこれまでの歩みは、幼い頃からの弛まぬ努力と、兄弟との競争の中で培われた負けず嫌いの精神、そしてチームへの貢献に裏打ちされています。パリオリンピックでの歴史的なメダル獲得は、彼女自身のキャリアにおける大きな節目であると同時に、日本の女子フェンシング界に新たな歴史を刻む偉業でした。今後の更なる活躍が期待されています。

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