薔薇のマリア

『薔薇のマリア』は、十文字青による日本のライトノベル、およびそれを原作としたメディアミックス作品です。イラストはBUNBUNが担当。角川スニーカー文庫から2004年から2014年まで刊行され、2016年には続編『ノラ猫マリィ』が刊行されました。

ストーリー

物語は、孤独な「侵入者（クラッカー）」であるマリアローズが、個性的な仲間たちと出会い、絆を深めながら成長していく姿を描きます。

物語の舞台は、法が存在しない無法都市エルデン。そこでは、異形の生物が跋扈し、様々なクランが勢力争いを繰り広げています。そんな混沌とした世界で、マリアローズは仲間たちと共に数々の困難に立ち向かい、自身の過去と向き合いながら、成長していきます。

登場人物

ZOO

トマトクンをリーダーとするクラッカー系クラン。エルデンを拠点とし、少人数ながらも手練れのメンバーが揃っています。入園条件は「日常生活に支障のない体力のある方に限定」という緩いものですが、その実力はエルデンでもトップクラス。

マリアローズ: 本作の主人公。17歳の侵入者で、中性的な美貌を持つ。元は孤独なクラッカーだったが、ZOOに加入。
トマトクン: ZOOの園長。道化師のような風貌の大柄な青年で、圧倒的な戦闘能力を持つ。その正体は謎に包まれています。
ピンパーネル: ラハン大陸出身の元アサシン。二刀流の使い手で、トマトクンに絶対の忠誠を誓っています。
カタリ: キングダム・イズルハの元王子。武器は変形斧。仲間想いだが、お調子者な一面も。
サフィニア: ZOO所属の魔術士。不幸オーラを纏う銀髪の美女。料理が得意。
ユリカ・白雪: ZOO所属の医術士。幼い外見だが、実は23歳。鵺流古式戦闘術の使い手。
トワニング: ZOO専属の坊主。蘇生術を扱う破戒僧。ユリカの格闘術の師匠でもある。
きゅー: トマトクンの家にいる謎の生物。白い毛を持つ大きな動物のような姿で、人間の言葉を理解する。

昼飯時（ランチタイム）

アジアンをリーダーとするクラン。主な活動内容はクラッキング。メンバーは個性的で、様々なスキルを持つ者が集まっています。

アジアン: 昼飯時の頭領。マリアローズを熱愛している美青年。体内に異形の生物を憑依させている。
ベティ: 昼飯時所属の魔導士。露出度の高い服を着るのが特徴。
クラニィ: 昼飯時の古参メンバー。取立て屋。
ローガン: 昼飯時結成時のメンバー。酒場「ミケランジェロ」で働く。天才的な刃物の使い手。
リキエル: 昼飯時結成時からのメンバー。アザナエル人。筋骨隆々の仮面の男。
ダリエロ: 昼飯時結成時からのメンバー。元クラン「蛇蝎」頭領。凶悪な暗器使い。
カイ: 昼飯時所属。「明けの明星」の使い手。鬼人の谷で戦闘奴隷として育った。
ヴィクトリア: 昼飯時所属の医術士。長身で猫背。
ナツコ: 昼飯時所属の医術士。姉のヴィクトリア想い。
ヨグ・フローヨ・メイドルフ・サイケングレンマイセルヒ: 昼飯時所属。眼鏡をかけた神出鬼没の青年。穏和な性格だが意味不明な言動が多い。
クララ: 昼飯時所属。高利貸しの美少女。胸が大きく、高飛車な言葉遣いで話す。

秩序の番人（モラル・キーパーズ）

デニス・サンライズをリーダーとするクラン。エルデンの治安維持を目的とし、悪と判断した者を問答無用で斬り捨てる。

デニス・サンライズ: 秩序の番人の創始者。太陽鬼の異名を持つ豪快な男。
羅叉: 秩序の番人の副長。デニスを慕う冷徹な剣士。
ヨハン・サンライズ: 秩序の番人の副長。デニスの義理の息子。
琺瑠: 秩序の番人の副長。東部系の美女。
アーニャ・クルチバ:秩序の番人、JMA副会長。ヨハンに恋い焦がれている。

加虐的殺戮愛好会（サディスティック・マーダーズ・クラブ）

SIXをリーダーとする悪党の集団。略称はSmC。快楽のために殺戮や陵辱を繰り返す。

SIX: SmCのリーダー。不気味な美貌を持つ狂人。不死の肉体を持つ。
ジェイ: SmCのSIXの側近であるアッサシン。
* ボルフェンゲーテ: SmC所属の死霊術師。

世界観

物語の舞台は、永久大陸ルミナス・アルファを中心とした世界です。現在の暦はオーメネイジと呼ばれ、その以前には2025年頃まで文明が進んだ時代があったことが示唆されていますが、詳細は不明。

サンランド無統治王国

ルミナス・アルファ大陸にある王国。異界の扉が無数に存在し、異界生物が跋扈する「混沌と恐怖の巷（エルデェイニオン）」を、魔導王キング・グッダーが制圧し、建国しました。法が全く存在しない無法国家です。

アンダーグラウンド

エルデンの地下に広がる異界生物の棲む場所。数多くの区画に分かれた地下迷宮で、様々な異界と繋がっています。

クラッカー

アンダーグラウンドに潜り、異界生物を倒して収入を得る人々。最後の職業とも呼ばれています。

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