藤幡正樹

藤幡 正樹（ふじはた まさき）

藤幡正樹は、1956年生まれの日本を代表するメディア・アーティストであり、東京藝術大学名誉教授としてその名を知られています。2020年以降はカリフォルニア大学ロサンゼルス校で客員教授として活動しています。東京都に生まれ、神奈川県立希望ヶ丘高校を卒業後、東京藝術大学美術学部のデザイン学科で学び、その後同大学院で修士課程を修了しました。

経歴と活動

藤幡のキャリアは1990年に慶應義塾大学環境情報学部の専任講師としてスタートし、助教授や教授としても活躍。彼の作品制作は1980年代初頭から始まり、コンピュータを用いたアートに特化しています。1990年代にはインタラクティブな作品を発表し、多くの注目を集めました。

特に1996年には、ネットワークをテーマにした作品「Global Interior Project#2」を発表し、リンツのアルス・エレクトロニカでゴールデン・ニカ・グランプリを受賞しました。1999年からは東京藝術大学美術学部の教授として教育や研究にも携わり、2005年から2012年まで映像研究科長を務めました。2015年には自主退職していますが、東京藝大の映像研究科の立ち上げに関与し、その学科長を務めた実績もあります。

藤幡はその業績により、2010年には芸術選奨文部科学大臣賞を受賞し、また、文化庁メディア芸術祭の審査員としても貢献しました。2016年には紫綬褒章を受章しており、その功績は国内外で高く評価されています。

メディア・アートへの貢献

彼の作品や研究は、メディアアートを単なる技術や絶え間ない変化に留まらず、社会や文化への批評として提示することに貢献しました。その結果、メディアアートは芸術の一ジャンルとして確立され、さらに学術的な研究においても重要な位置を占めています。このように、藤幡正樹はメディアアートの黎明期からの活躍を通じて、非常に革新的で influential な存在となっています。

著作

藤幡はその作品だけでなく、数多くの著書も手がけています。主な著作には、以下のものがあります：

• - ジオメトリック・ラブ（PARCO出版局, 1987）
• - Forbidden fruits 藤幡正樹作品集（リブロポート, 1991）
• - 不完全な現実 デジタル・メディアの経験（NTT出版, 2009）

これらの著作では、アートとコンピュータ技術の関係、さらにはデジタル時代における色彩の概念についても考察されています。

藤幡正樹の多岐にわたる業績は、現代アートの理解を深め、未来の視点を提供し続けています。彼の影響力は今もなお、国内外のアーティストや研究者にとって重要な指針となっています。

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