血管運動性鼻炎

血管運動性鼻炎とは？

血管運動性鼻炎は、アレルギー性鼻炎と似た症状を示すものの、アレルギー反応が原因ではない、非アレルギー性鼻炎の一種です。「寒暖差アレルギー」という呼び名も知られています。

主な症状としては、鼻水、鼻詰まり、くしゃみなどが挙げられます。アレルギー性鼻炎と症状が酷似しているため、見分けるのが難しい場合もあります。しかし、アレルギー性鼻炎との決定的な違いは、血液検査や皮膚テストといったアレルギー検査で陰性となる点です。また、鼻汁中に好酸球という白血球の一種がほとんど認められないことも特徴です。

血管運動性鼻炎の原因

血管運動性鼻炎の明確な原因は、現在のところ解明されていません。しかし、様々な要因が関与していると考えられています。主な誘因としては、以下のものが挙げられます。

気温の変化: 急激な気温変化は、鼻粘膜の血管を収縮・拡張させ、炎症を引き起こす可能性があります。特に、寒暖差の激しい環境下では症状が悪化することが多いです。
大気汚染: 排気ガスや花粉、ハウスダストなどの大気汚染物質は、鼻粘膜を刺激し、炎症反応を引き起こす可能性があります。たばこの煙も同様の作用を持つため、喫煙者や受動喫煙者は注意が必要です。
ストレス: 精神的なストレスは、自律神経のバランスを乱し、鼻粘膜の血管の反応性に影響を与える可能性があります。ストレスの多い状況では、症状が悪化することがあります。
アルコールや薬物: アルコールや特定の薬物は、鼻粘膜の血管に影響を与え、症状を悪化させる可能性があります。
ホルモンバランス: 女性ホルモンの変動も、症状に影響を与える可能性があります。月経周期など、ホルモンバランスが変化しやすい時期には注意が必要です。
その他: 乾燥した空気、辛い食べ物、強い光なども、症状を誘発する可能性があるとされています。

これらの要因が単独で、あるいは複数組み合わさることで、血管運動性鼻炎の発症や症状の悪化につながると考えられています。

血管運動性鼻炎の治療

血管運動性鼻炎の治療は、原因となる要因を特定し、それを避けることが重要です。具体的な治療法としては、以下のものが挙げられます。

薬物療法: 鼻詰まりには血管収縮剤入りの点鼻薬、鼻水には抗ヒスタミン薬などを用います。ただし、血管収縮剤は長期使用による反跳現象に注意が必要です。医師の指示に従って使用しましょう。
環境療法: 気温変化の激しい場所を避けたり、加湿器を使用したり、大気汚染物質を避けるなどの工夫が大切です。
ストレス軽減: ストレスを軽減するために、十分な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動などを心がけましょう。
その他: 症状に応じて、生理食塩水による鼻うがいなども有効です。

症状が改善しない場合や、日常生活に支障をきたす場合は、耳鼻咽喉科を受診して適切な治療を受けることが重要です。医師と相談しながら、自分にあった治療法を見つけるようにしましょう。

最後に

血管運動性鼻炎は、アレルギー検査で陰性となるため、アレルギー性鼻炎と誤診されるケースもあります。適切な診断と治療を受けるためには、症状を詳しく医師に説明することが重要です。ご自身の症状についてよく理解し、必要であれば専門医に相談しましょう。

もう一度検索