規制改革推進会議

規制改革推進会議

内閣府に設けられた諮問機関であり、日本の経済に関する重要政策、特に経済社会の構造改革を推進するために必要な規制の見直しについて、幅広く調査・審議することをその主たる目的としています。内閣府設置法に基づき設置され、従来の規制改革会議の役割を引き継ぐ形で、2016年9月2日に第3次安倍第2次改造内閣によって設置が閣議決定されました。

活動内容

発足後、様々な分野での議論を開始しました。特に注目を集めたのは、農業分野における改革案でした。2016年11月には、農業部会が全国農業協同組合連合会（全農）に対し、農家への資材販売事業からの撤退や農産品の委託販売廃止など、踏み込んだ内容を含む独自案を提言しました。しかし、この提言は自民党の農林関係議員から強い反発を招きました。結果として、政府・自民党は全農による自主的な改革案を提示し、期限を設けない形での改革を進める方向となりました。当時の自民党農林部会長や内閣総理大臣も、全農改革の重要性を強調し、農業の構造改革の試金石と位置づける発言を行いましたが、当初の規制改革推進会議農業部会による提言内容は、改革推進派とされる議員でさえ「高すぎるボール」と評するほど厳しいものでした。

農業改革の他にも、多様な分野で提言を行っています。例えば、観光立国を目指し、ホテルや旅館の営業に関する規制緩和策を提言しました。具体的には、最低客室数や客室の床面積に関する基準の見直しなどが含まれています。また、労働分野においては、年次有給休暇制度について、転職者が就職初日から年休を取得できるようにすべきだとする提言をまとめています。これらの提言は、経済の活性化や国民生活の利便性向上を目指したものです。

組織体制

会議は、様々な分野の専門家や有識者からなる委員によって構成されています。委員は一定期間ごとに任命され、専門分野に応じたワーキング・グループが設置されて、より専門的かつ具体的な議論が行われています。過去には、行政手続、農林、水産、医療・介護、保育・雇用、投資等といった幅広い分野を対象とするワーキング・グループが活動していました。現在も、特定の課題に焦点を当てたワーキング・グループが活動しています。

会議の開催経緯

設立後、精力的に会議が開催されました。初期の会議開催日を見ると、2016年9月12日の第1回を皮切りに、10月に3回、11月に3回、12月に2回、2017年1月に1回、2月に2回と、短期間で集中的に議論が進められていたことがわかります。具体的な開催日は以下の通りです。

2016年9月12日（第1回）
2016年10月6日（第2回）
2016年10月24日（第3回）
2016年11月7日（第4回）
2016年11月15日（第5回）
2016年11月28日（第6回）
2016年12月6日（第7回）
2016年12月22日（第8回）
2017年1月26日（第9回）
2017年2月7日（第10回）
* 2017年2月23日（第11回）

役割と意義

規制改革推進会議は、時代に合わなくなった制度や、経済活動の妨げとなる規制を見直し、より自由で競争的な経済環境を整備することを目指す重要な役割を担っています。多様な分野の規制に切り込むことで、経済成長の促進や国民生活の質の向上に寄与することが期待されています。その提言は、政府の政策決定に大きな影響を与えるものです。

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