超級巨星紅白藝能大賞

超級巨星紅白藝能大賞（スーパースター こうはくげいのうたいしょう）は、台湾電視公司（TTV）が毎年旧暦の大晦日、すなわち「除夕（チューシー）」に放送している特別な音楽番組です。この番組は、台湾における旧正月の到来を盛大に祝う一大イベントとして、多くの視聴者に長年親しまれています。初回放送は2010年で、以来、台湾の年越しに欠かせない恒例行事の一つとして定着しています。

番組の基本的な構成は、日本の公共放送局であるNHKが制作・放送する「NHK紅白歌合戦」に着想を得ています。出場する多数のアーティストが、番組開始から終了まで紅組と白組の二手に分かれて、それぞれ趣向を凝らした歌唱やパフォーマンスを披露し、その年のチームの勝敗を競い合います。この紅白対抗という形式は、番組に競技的な要素を加え、視聴者が応援する組に感情移入して楽しむことができるため、高い人気を集める要因となっています。

番組の収録は、原則として台湾を代表する多目的アリーナである台北アリーナ（台北小巨蛋）で行われます。この会場は、国内外の著名なアーティストがコンサートを開催する場所としても広く知られており、数万人規模の観客を収容できる台湾有数の大規模施設です。このような広大な会場を使用することで、出場アーティストによる熱気あふれるライブパフォーマンスを、より多くの観客が直接体感できるようになっており、その臨場感あふれる模様はテレビ中継を通じて台湾全土、そして世界中の視聴者に届けられます。

番組には、台湾のトップレベルのアーティストはもちろんのこと、海外からも様々なジャンルのゲストが出演し、ステージに華を添えます。中でも、日本からのゲスト出演は特に注目を集める傾向にあります。例えば、2012年に放送された第3回には、日本人女性歌手として高い人気を誇る西野カナ氏が登場しました。これは西野氏にとって、日本国外で初めて歌声を披露した記念すべき場となり、大きな話題となりました。また、2020年の第11回放送には、日本の人気ダンス＆ボーカルグループであるEXILEがこの番組に初めて出演し、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了しました。このように、日本の著名なアーティストが出演することで、台湾国内のみならず、アジア圏からの注目度も高まっています。

紅白形式の番組であるため、番組のクライマックスでは、その年に勝利したチームが発表されます。番組開始以来、これまでの16回の放送における累計の対戦成績は、紅組が9勝、白組が7勝という結果になっています。わずかに紅組が先行している状況ですが、毎年の勝敗の行方は番組の終盤における大きな見どころの一つとなっています。

「超級巨星紅白藝能大賞」は、単に旧暦の大晦日に放送される音楽番組というだけでなく、台湾の人々が家族や友人と共に旧正月を迎え、共に歌やパフォーマンスを通じて新年を祝う、いわば年越しの「国民的イベント」のような存在感を放っています。華やかなステージ演出、豪華な出演者ラインナップ、そして紅白対抗というエンターテイメント性によって、この番組は台湾の除夕に欠かせない風物詩として、揺るぎない地位を確立しています。

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