車いすフェンシング

車いすフェンシング

車いすフェンシングは、車いすをピストに固定し、上半身のみを使って行うフェンシングです。障害者スポーツの一つとして、夏季パラリンピックの正式種目となっています。パラフェンシングとも呼ばれます。

競技概要

一般のフェンシングと同様に、フルーレ、エペ、サーブルの3種目があります。

フルーレ: 突きのみが有効
エペ: 突きのみが有効
サーブル: 突きと斬りが有効

競技規則は一般のフェンシングとほぼ共通で、剣やマスク、ジャケットなどの用具も共通のものを使用します。

歴史

車いすフェンシングは、イギリスのストーク・マンデビル病院の医師、ルートヴィヒ・グットマンによって発展しました。グットマン医師は、脊髄損傷者のリハビリテーションとしてスポーツを導入し、その一つとして車いすフェンシングが生まれました。

パラリンピックでは、1960年のローマパラリンピックから競技が実施されています。当初はイギリスやイタリアなどのヨーロッパを中心に競技が普及し、現在では世界中で競技が行われています。

ソフトパラフェンシング

帝京平成大学健康医療スポーツ学部馬場宏輝教授によって考案された派生競技として、ソフトパラフェンシングがあります。これは、「ソフトパラフェンシングの普及。東京2020オリパラ大会のレガシーを後世に伝える。」を活動目的としています。

用具はスポンジ素材の剣とフェイスシールドを使用します。剣を持っていない方の手に、カップに乗せた球体の非接触型転倒ライト(紙風船などの簡易的な球体)を持ち、剣に触れて点灯(接触)したら1点が入ります。また、持ち手側の肘にエルボーという球を椅子ではさみ、落としたら相手に1点が入るという独自のルールがあります。より安全に、より手軽にフェンシングを楽しめるように工夫されています。

日本における車いすフェンシング

日本では、日本車いすフェンシング協会が中心となって、競技の普及・振興活動を行っています。全国各地で大会や体験会が開催されており、競技人口の拡大を目指しています。

車いすフェンシングは、上半身の筋力や集中力、戦略性が求められる奥深いスポーツです。障害の有無に関わらず、多くの人が楽しめるスポーツとして、今後の発展が期待されます。

外部リンク

日本車いすフェンシング協会

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