逆上がり

逆上がりとは

逆上がりは、鉄棒運動における基本的な上がり技の一つです。地面に足がついた状態からスタートし、両手で鉄棒をしっかりと握り、鉄棒を軸にして足を上、体を後ろへと回転させ、最終的に鉄棒の上に体を持ち上げます。子どもたちの間では、遊びとしても広く親しまれています。

棒上支持の状態から後方に回転する技は、しばしば「空中逆上がり」と呼ばれることがありますが、これは正式には「後方支持回転」という別の種類の技です。

逆上がりのポイント

逆上がりを行う際の持ち方は、鉄棒に対して順手で握るのが基本です。これは、回転時に胴体を鉄棒に引きつけ、しっかりと体を支えるために重要です。しかし、実際には逆手で握る方が良いと感じる人も少なくありません。

地面を蹴って下肢を上方に持ち上げ、胸を鉄棒に近づけて密着させるように後方へ回転します。低学年の児童にとっては、回転後に体を支えるのが難しい場合もあるため、そのまま勢いで後方に着地することもあります。

胸部から腰部にかけてを軸として回転する技であるため、体が鉄棒から離れてしまうとバランスを崩して落下する危険性があります。そのため、いかに胴体を鉄棒に近づけるかが成功の鍵となります。強く地面を蹴ること、順手で鉄棒を引き寄せるようにすることが重要です。もし脚が棒の上に上がらない場合は、頭を後方に下げ、脚をできるだけ棒の後ろに伸ばすことを意識すると効果的です。最後に、手首を返して体を鉄棒の上に持ち上げます。

近年では、逆上がりを容易にするための補助具が設置されている学校や公園も見られるようになりました。これらの補助具は、練習段階に応じて適切に利用することが大切ですが、頼りすぎると本来の逆上がりを行う能力や、習得に向けた努力の機会を失う可能性があります。

足がつかない高い鉄棒で逆上がりを行う場合、懸垂ができる程度の腕力が必要です。これは、高い鉄棒ではまず懸垂をするように腕を曲げ、その状態から脚を上げていく必要があるためです。したがって、十分な上半身の筋肉が求められます。

指導における注意点

地面を蹴り上げて行う逆上がりが難しい場合でも、懸垂からの逆上がりができる人もいます。しかし、骨格に異常があるなど、身体能力以外のハンディキャップも考慮し、慎重に指導を行う必要があります。

逆上がりの現状

近年、私立小学校の受験対策として、逆上がりの個人指導を受ける家庭が増えています。現代の子どもたちの運動不足により、逆上がりの習得が難しくなっている現状を反映して、個人指導やボランティアグループによる出張形式の指導、公園の鉄棒を利用した指導などが盛んに行われています。

歴史

葛飾北斎の『北斎漫画』には、竹棒を使って前回りをする人物が描かれており、西洋化以前から同様の運動が見られたことがわかります。

関連情報

• - 鉄棒

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