道歌

道歌の概要

道歌（どうか）は、日本の伝統に根ざした道徳的または教訓的な短歌の一種です。これらは様々な経験に基づく知恵や訓戒を表現したもので、古くから日本人の心に寄り添ってきました。道歌は、話し言葉に適した形式であり、暗誦しやすいことから大変人気があります。

歴史的背景

道歌の起源は古い時代にまでさかのぼり、最初から道歌として作られたものもあれば、他の短歌から引用されたものも存在します。引用された場合、文言は若干変化することがあります。道歌という言葉自体は、室町時代に編纂された運歩色葉集という辞典に見られ、その後、江戸時代の心学者によって盛んに作られるようになりました。この時期、道歌は特に多くの人々に親しまれ、詠まれました。

道歌の特徴

道歌は、言葉の響きやリズムが美しく、かつメッセージが明確であるため、普通の短歌とは一線を画しています。道徳や教訓を含んでいるため、学びの要素が強く、教育的な役割を果たしています。また、短いがゆえに、多くの人に覚えやすく、口伝えで広まりやすい特性を持っています。

代表的な道歌の例

道歌の中には多くの名句があります。例えば、以下のような句があります：

• - 「目鼻口手足は人の並なれど、心一つで廃る身体ぞ」
• - 「目で見せて耳で聞かせてして見せて、やらせて褒めにゃ事ならぬなり」

この句は、山本五十六の言葉と同様の意味を持っており、教育や実践の重要性を説いています。

また、利休が詠んだ道歌には、
「濃茶には湯加減あつく服は尚ほ泡なきやうにかたまりもなく」というものがあります。この歌も、ひとつの教訓を含んでいます。

道歌集の紹介

道歌は、様々な著者による作品が残されています。その中には、以下のような道歌集があります：

• - 荒木田守武による『世中百首』（1473年 - 1549年）
• - 大塚久成の『竹馬歌』—教育的な内容が多く含まれています。
• - 久保倉弘政の『心百首』
• - 二宮尊徳の『二宮尊徳翁道歌集』

これらの作品は、過去の知恵を伝えるだけでなく、現代においても有用な教訓が多く含まれています。

参考文献

道歌に関する詳しい情報を得るためには、以下の文献を参考にするとよいでしょう：

• - 木村山治郎著『道歌教訓和歌辞典』（1998年、東京堂出版）
• - 八波則吉著『道歌清談』（1936年、実業の日本社）
• - 松尾茂編『道歌大観』（1911年、光融館）

道歌は、日本の文化や価値観を理解する上で欠かせない存在であり、時代を超えた教訓が今も人々の生活に息づいています。

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