野島断層

野島断層について

兵庫県淡路市に位置する野島断層は、活断層として知られ、阪神・淡路大震災を引き起こした原因とされます。この地域の地殻変動の重要な証拠であるこの断層は、その一部が保存されており、文部科学省によって天然記念物に指定されています。

断層の概要

野島断層は淡路島の北西部、旧北淡町の北端から江埼灯台付近、さらに富島地区までの約10キロメートルにわたる長さを持ちます。この断層は、六甲山から淡路島にかけて連なる六甲・淡路島断層帯の一部を形成しています。1975年に発表された地質図には、活断層として記載されており、その重要性が示されています。

兵庫県南部地震と野島断層

1995年1月17日の早朝に発生した兵庫県南部地震は、六甲・淡路島断層帯の活動によるもので、その中でも野島断層が震源から最も近い位置にあります。この地震では、断層南東側が南西方向に約1から2メートル横ずれし、同時に南東側が約0.5から1.2メートル隆起する現象が見られました。特に、野島蟇浦地区では北西側が約20から40センチ程度隆起しました。これにより、地表に断層面が現れました。

この断層によって引き起こされた破壊は、特に北淡町小倉地区で顕著であり、1998年には「北淡町震災記念公園」が開設されました。この公園内には「野島断層保存館」があり、断層の一部が垣間見られるように保存されています。また、同年に国の天然記念物に指定され、参観者を集める人気の観光地となっています。

断層の調査と活動歴

野島断層に関する掘削調査では、過去2万年間に約20メートルの変位が確認されました。梨本地区での掘削調査からは、約1,100から2,400年前のデータが得られ、前回の活動は約2,000年前であると推定されています。また、1596年に発生した慶長伏見地震に由来する割れ残りと考えられる説も存在します。

交通アクセス

北淡震災記念公園へのアクセスは非常に便利で、淡路市の生活観光バス路線（あわ神あわ姫バス）や、北淡路西海岸ラインのバスが利用できます。これにより、多くの観光客がこの場所を訪れることができます。

まとめ

野島断層は、地震学上及び地質学上において重要な位置を占める地点であり、自然災害に対する警戒心を高めるための教育の場ともなっています。この断層がもたらす地震の影響を理解し、その保存活動は、将来の世代にも重要なメッセージを伝えるものとなるでしょう。

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