野球少女

映画『野球少女』の紹介

『野球少女』（やきゅうしょうじょ）は、2020年に公開された韓国のスポーツドラマ映画です。この作品は、2019年に行われた第24回釜山国際映画祭のパノラマ部門に出品され、ここでワールドプレミア上映を果たしました。

映画の背景

韓国では1996年にプロ野球選手として女性の参加が可能になりましたが、実際には女子選手がプロ球団のトライアウトを受ける機会が営利的に非常に限られています。本作の主人公であるチュ・スインは、韓国の女性として初めて高校の野球部に所属した選手のストーリーを基にしています。彼女は、その後韓国プロ野球リーグ（KBO）主催の試合に先発登板したことで注目を浴びました。しかし、ジャーナリストの室井昌也による指摘では、実際には彼女が登板したのはプロ公式戦ではなく、高校の全国大会である「大統領杯全国高校野球大会」においてでした。

ストーリーの概要

作品の中心となるのは、天才的な才能を持つ野球少女、スイン（演じるのはイ・ジュヨン）の物語です。スインは、最高球速134kmの投球を誇る選手で、プロ野球選手になることを夢見ています。しかし彼女は、女性という理由でトライアウトを受ける機会を得られず、リトルリーグ時代からの親友であるジョンホ（クァク・ドンヨン）からプロからの期待を受ける一方で、周囲からは夢を諦めてほしいと助言され、それに反発する形で努力を続けます。彼女の前に現れる新たなコーチ、ジンテ（イ・ジュニク）は、スインの挑戦をサポートします。

登場人物

• - チュ・スイン：イ・ジュヨンが演じ、プロ野球選手を夢見る少女。
• - チェ・ジンテ：イ・ジュニク演じる新任のコーチ。
• - スインの母：ヨム・ヘラン演じる彼女の母親。
• - スインの父：ソン・ヨンギュ演じる彼女の父親。
• - イ・ジョンホ：クァク・ドンヨン役で、スインの友人。
• - ハン・バングル：チュ・ヘウンが演じるキャラクター。

スタッフ情報

この映画は、脚本及び監督をチェ・ユンテが務めており、撮影はハン・スンヨンによって手掛けられました。編集はチョ・ユンテが担当し、音楽はロコモーティブとチョン・チハンの共同制作です。また、美術はパク・ジンア、音響効果はパク・チェヒョンとイム・ヒョンギュが行っています。日本語字幕は根本理恵によって制作されました。

受賞歴

『野球少女』は、映画祭で高く評価されており、第45回ソウル独立映画祭ではイ・ジュヨンが独立スター賞俳優部門を受賞。また、第19回ニューヨーク・アジアン映画祭でも国際ライジングスター賞を獲得するなど、主人公の演技が称賛されています。

まとめ

『野球少女』は、今日においてもなお進化を続ける女性のスポーツ界における挑戦を描いた作品であり、観客に感動と勇気を与えるストーリーです。夢を追い続けることの大切さを再認識させてくれるこの映画は、性別に関係なく、自分の可能性を信じることの重要性を強く訴えています。

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