釜島

釜島（かましま）

岡山県倉敷市下津井に位置する釜島は、水島諸島（児島諸島）に属する無人島です。かつては人が居住していましたが、現在は無人島となっています。鷲羽山の南、久須美の鼻の南約1km沖にあり、三角形の形をしています。面積は約0.40平方キロメートル、周囲は約3.2キロメートル、最高標高は43メートルです。

歴史

釜島は古くから人が住んでいた形跡があり、縄文土器や弥生土器、古墳群が発見されています。平安時代中期には、藤原純友が天慶の乱で都落ちし、釜島に城を構えたという記録が『前太平記』に残っています。この際、藤原純友は官軍を打ち破ったとされています。島内には、当時の城跡や塩釜神社の跡が残っています。

江戸時代に入ると、1646年に岡山藩の所属となりました。『吉備温故秘録』によれば、当時の釜島には田畑が1町8反、家が1軒、男女合わせて8人が住んでいたと記録されています。その後も人口は少なかったものの、有人島として存続しました。1906年には筆海小学校の分教場が設置され、教育施設も整備されました。

第二次世界大戦後には入植者が増え、1955年には児島市立下津井中学校の分校も設置されました。1959年当時、小学校の児童数は14名で、へき地等級3級に指定されていました。小学校の分校は浜から約200メートルの場所にありました。昭和30年代末頃には、夏の海水浴客を中心に年間1万人近い人々が島を訪れていました。

しかし、その後急速に住人が流出し、1970年に中学校の分校が休校、1972年には小学校の分校も休校となりました。1980年の国勢調査で、釜島は無人島となりました。1986年には、夏季限定で民宿と茶屋が営業を開始しましたが、その後閉鎖され、現在に至るまで無人のままです。休校となっていた小中学校も、1979年に小学校の分校が正式に廃校、1989年には中学校の分校も正式に廃校となりました。

現在、釜島は下電ホテルが管理を行っています。

近年の動向

『日本廃村百選 - ムラはどうなったのか』の著者である浅原昭生氏は、2008年と2009年に釜島を訪れ、塩釜神社、民宿跡、分校跡などを調査しました。また、1958年公開の映画『二等兵物語 死んだら神様の巻』のロケ地にもなっています。

島内には海水浴場がありますが、設備がないため、利用する際は必要な機材をすべて持ち込む必要があります。

交通

釜島へ渡るためには、チャーター便を利用する必要があります。定期船などの公共交通機関は運行していません。

まとめ

釜島は、歴史的な背景と自然が共存する無人島です。かつては多くの人が暮らし、賑わっていた時代もありましたが、時代の流れとともに無人化しました。しかし、島内には当時の面影を残す史跡や建物が残っており、訪れる人々に歴史を感じさせてくれます。

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