間引き

間引き（まびき）について

間引きとは、元々は植物を育てる際に、苗を密植から一定の間隔を空けるために行う作業です。この手法は、非常に密に植えられた苗から、成長を促すために一部を選んで取り除くことを指します。これにより、残された苗は周囲の植物と適切な距離を保ち、より健全に育っていくことが可能になります。

植物栽培における間引きの方法

種を直まきする場合、通常は多めに撒かれます。そして、発芽後に間引き作業が必要になります。例えば、ダイコンを例に挙げると、最終的にそれぞれの植物の間には十分なスペースが保たれている必要があります。しかし、苗が小さい頃は、むしろ密植された状態で育てるほうが良い場合が多く、この段階で、育ちが悪い苗や形が悪い苗を選んで引き抜くことが重要となります。このプロセスによって、健康的に成長できる苗のみが残されることになります。

一般的には、発育が劣っているものや、細いものを優先的に間引きしますが、逆にあまりに成長が良すぎるものや、形が悪いものも対象になります。特に、農作物の生長促進や通気性を確保し、防虫効果を高めるためにも、この作業は欠かせないものとなっています。間引きは、通常、収穫までに2〜3回実施され、最終的には苗ごとの適切な株間を設けることになります。

間引き作業の利点

葉物野菜やカブ、ニンジンにおいては、成長が進むにつれて混み合った部分から間引くことで、収穫を兼ねることが可能です。このように、間引き菜として残された苗も食用として利用でき、消費されることが多くなっています。例えば、ダイコンを間引いた後に残る苗は、「間引き菜」として市場で取引されることもあります。

もし、この間引き作業を行わなければ、各植物は栄養を十分に得ることができず、細く成長したり、場合によっては全てが弱ってしまうということもあります。ただし、植物の種類によってこの状況は異なり、すべての株が痩せ細ってしまうわけではなく、一部が枯れることもあります。これは自然選択の働きとも捉えられるケースです。

摘果と生産量への影響

果樹の栽培においても、摘果と呼ばれる間引きが行われます。例えば、リンゴの未成熟な段階で果実の数を減らすことで、残された果実に栄養が集中し、さらに大きくて美味しい果実が育てられます。間引きによる生産量には、収量一定の法則という考え方があります。これは、間引きによって得られる大きな個体が少数でも、収穫量全体には大きな変化がないということを示しています。

しかし、トロフィム・ルイセンコの研究では、逆に密植をすると微気象が有利に働く場合もあるという主張がありました。この件は彼の政治的背景もあって、多くの議論を呼びましたが、間引きが植物栽培において重要な役割を果たすことは変わりありません。

関連項目

• - 伐採（間伐）
• - 剪定（邪魔な枝の切り落とし）
• - 選抜除去（犬種など以外の動物を除去すること）

もう一度検索