隼駅

隼駅：歴史とバイクの聖地

鳥取県八頭郡八頭町に位置する隼駅は、若桜鉄道若桜線沿線にある情緒あふれる駅です。1930年（昭和5年）の若桜線開業と同時に設置され、当初は終着駅として旅客と貨物の輸送を担っていました。その後、若桜線の延伸に伴い中間駅となり、幾多の変遷を経て現在に至ります。

歴史を刻む駅舎

1929年（昭和4年）建築の駅舎は、往時の面影を色濃く残す貴重な建造物です。重厚な木造建築の美しさは、多くの人の心を捉え、2008年（平成20年）には国の登録有形文化財に登録されました。駅舎内は無人駅ながら、地元商店による乗車券販売委託が行われ、現在では売店として活用されています。

歴史を振り返ると、1961年には一般運輸営業を廃止、1974年には荷物扱いも廃止され、駅員無配置駅となりました。国鉄分割民営化（1987年）を経て、若桜鉄道の駅となりました。また、2012年には韓国の池灘駅と姉妹提携を締結するなど、国際交流にも貢献しています。

バイクの聖地としての発展

隼駅は、近年、大型バイク「スズキ・GSX1300Rハヤブサ」の愛称「隼」にちなんだイベントを通じて、全国のライダーに知られるようになりました。2008年、『月刊ミスターバイク』誌が「8月8日はハヤブサの日」と銘打ち、隼駅への集結を呼びかけたことがきっかけです。

これを受け、地元住民有志による「隼駅を守る会」が設立され、駅周辺環境の整備やイベント開催など、積極的な取り組みが行われています。毎年8月8日頃には「隼駅まつり」が開催され、全国から多くのバイクライダーや鉄道ファンが集まり、賑わいを見せています。スズキ株式会社も協賛しており、関連グッズの販売や試乗会なども行われています。

イベントは年々規模を拡大し、参加者数は千人を超えるほど盛況です。イベントを通じて、地域活性化にも大きく貢献しています。

ライダーハウスとラッピング列車

ライダーの休息場所として、駅構内にライダーハウスが整備されました。北陸鉄道から譲渡された電気機関車や、JR四国から譲渡された客車「ムーンライトはやぶさ」が活用され、独特の雰囲気を醸し出しています。

さらに、スズキの協力を得て「隼ラッピング列車」を運行開始。大型バイクのラッピング広告と併走パレードは、日本初の試みとして話題を呼びました。

駅周辺情報

隼駅周辺には、八頭町立隼小学校や国道482号、鳥取県道302号大坪隼停車場線などがあります。静かな田園風景が広がり、のどかな雰囲気の中で、歴史と現代が融合した隼駅の独特の魅力を体感できます。

アクセス

若桜鉄道若桜線をご利用ください。因幡船岡駅から隼駅、安部駅へと続きます。

隼駅は、歴史と自然、そしてバイク文化が融合した、魅力あふれる駅です。訪れた際には、駅舎の美しい建築様式や、ライダーたちの熱気に満ちたイベント、そして静かな田園風景を存分にお楽しみください。

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