難民認定

難民認定とは

難民認定とは、ある国に居住を許可されていない外国人が、人種、宗教、国籍、政治的意見などを理由に迫害を受ける恐れがある場合に、その人物を難民として認め、居住を許可する制度です。難民認定の申請は、本国からの避難者だけでなく、既にその国に合法的に居住している人が、本国の政変などを理由に行うこともあります。

難民条約加盟国による難民認定

難民認定は、難民条約に加盟している国がそれぞれ行います。しかし、認定数は国によって大きく異なり、日本は欧米諸国に比べて非常に少ないのが現状です。

各国の状況

日本の難民認定には、国内にいる申請者に対するものと、UNHCRがリストアップした難民を受け入れるものの2種類があります。しかし、日本は後者の受け入れに積極的ではなく、過去にクルド人を強制送還した事例もあります。この件は、UNHCRから「ルフールマン（迫害を受ける危険性のある領域に人を送り返すこと）」であると批判されました。

欧米諸国は難民の受け入れに積極的な国が多い一方、日本では年間100人に満たない数の難民しか認定されていません。法務省は「申請数が少ないから」としていますが、申請者側は「受け入れられないから申請しない」と反論しています。また、日本の難民認定手続きは厳格で、申請できる難民が限られているという指摘もあります。

こうした状況を改善するため、日本では法務大臣が指定した学識経験者などが難民認定に関与する制度が導入されています。また、国後島から泳いで渡ってきた人物が難民として認定された事例もあります。

UNHCRによる難民認定

UNHCRは、難民条約加盟国による認定とは別に、保護を必要とする人に対して難民認定証を発行しています。この認定を「マンデート難民認定」と呼び、認定を受けた難民を「マンデート難民」と呼びます。マンデート難民は、条約上の難民に該当する「中心的マンデート難民」と、紛争などから逃れてきた「拡大マンデート難民」に分類されます。

日本の現状と課題

日本の難民認定数は、他の先進国と比較して非常に少ないのが現状です。この背景には、難民認定に対する制度的な問題や、社会的な理解不足があると考えられます。

日本は、難民発生地域の隣接国がまず負担すべきという意見がある一方で、国際社会における責任を果たすべきという声も多くあります。グローバル化が進む現代において、難民問題は国際社会全体で取り組むべき課題であり、日本もより積極的に難民受け入れに取り組む必要があると言えるでしょう。

参考文献

UNHCRホームページ
難民の認定に関する手続 - 出入国在留管理庁
難民支援協会

関連項目

そのひとときの自由（2008年の映画。難民認定の困難を描く。）

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