霧の壁

霧の壁

『霧の壁』（きりのかべ）は、1970年8月24日から8月28日にかけてNHKの「銀河ドラマ」として放送された連続テレビドラマで、全5回の白黒作品です。本作は「銀河ドラマ」の第37作にあたります。

概要

この作品は、外国作品の翻案としては7作目となり、記憶喪失の主人公が無実の罪を晴らすために事件の真相を追うサスペンス劇が展開します。視聴者は主人公の苦悩と周囲の目にさらされながらも、その真相に向かって進む姿を追体験することができます。

物語

物語は、27歳のサラリーマン仲井明が主人公です。ある日、仲井は伯父の孝平が殺された現場に居合わせ、その衝撃で記憶喪失になってしまいます。仲井にとって孝平は評判の良くない金融業者で、数日前には、妻英子との離婚に伴い必要とする200万円の借金を求めたものの、孝平から断られた過去がありました。

そのため、警察は彼を犯人と見なし、記憶喪失を詐病として厳しく追及します。この状況の中で、仲井は自身の記憶を取り戻し、真実を解明しようと必死に奮闘します。彼の無実を証明するための努力が続く中、さまざまな人々との関わりや対立を通じて、自己の過去や人間関係の複雑さが描かれます。

キャスト

物語には、仲井明を演じる中山仁を始め、仲井英子役の北林早苗、仲井隆役の勝部演之、相沢洋平役の加藤嘉など、豪華なキャストが揃っています。脇役にも個性的な演技者が影を落とし、物語を引き立てます。特に、記憶を失った仲井がどのようにして真実を見つけ出すか、その過程で出会う人々との関係が重要な要素となっています。さらに、仲井の伯父である仲井孝平は柳有が演じ、仲井の記憶の中の重要な鍵として機能します。

スタッフ

このドラマは、原作をフレデリック・ブラウンが担当し、脚本は石松愛弘が手掛けました。また、演出は伊神幹、音楽は熊谷賢一が担当し、制作は金光寿郎が行いました。高品質なストーリーと演出が視聴者に好評を博しました。

『霧の壁』は放送時に多くの視聴者に支持され、現在でもその記憶が色あせない作品の一つとされています。サスペンスドラマとしての緊張感と、登場人物たちの人間ドラマが魅力的に描かれており、時代を超えて様々な観点で評価されるべき作品です。

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