飯田市川本喜八郎人形美術館

飯田市川本喜八郎人形美術館：人形劇の世界に触れる、飯田の文化拠点

長野県飯田市に位置する飯田市川本喜八郎人形美術館は、日本を代表する人形アニメーション作家、故・川本喜八郎氏の作品を核とした美術館です。単なる展示施設にとどまらず、人形劇文化の発展と普及を目的とし、地域住民の文化交流拠点としての役割も担っています。

川本喜八郎と飯田市の深い繋がり

川本喜八郎氏は、1990年、飯田市で開催された人形劇カーニバル（現いいだ人形劇フェスタ）への参加をきっかけに飯田市と縁を結びました。その後も度々飯田市を訪れる中で、古くから人形芝居が盛んな土地柄や、市民の人形への深い愛情に感銘を受け、自身の作品を飯田市に寄贈することを決意しました。

彼の代表作であるNHK人形劇『三国志』、『人形歴史スペクタクル 平家物語』で使用された数々の人形をはじめ、貴重なアニメーション作品の人形などが、この美術館に収蔵されています。これらの作品は、川本氏の卓越した人形製作技術と芸術性を余すことなく示しており、来館者に深い感動を与えます。

美術館の展示と施設

美術館は、鉄筋コンクリート構造の3階建てで、飯田信用金庫本店と直結しています。1階は収蔵庫、2階には美術館入口、映像ホール、サロン、そして3階には展示室とスタジオが配置されています。

展示室では、『三国志』、『平家物語』で使われた人形を中心に、川本氏の多様な作品を展示。さらに、川本喜八郎氏の追悼展や企画展も定期的に開催され、来館者は常に新しい発見を楽しめます。展示作品は約200体にも及び、その中には『三国志』の人形が60体から80体含まれています。展示作品は定期的に入れ替えが行われているため、何度訪れても新鮮な感動を味わえます。また、エントランスには諸葛孔明の人形が展示されており、館内唯一写真撮影が許可されているスポットとなっています。

2階のエントランスゾーンには、来館者向けの情報提供を行う「まちなかインフォメーションセンター」と飲食店も併設されており、利便性の高い設計になっています。美術館の開館時間は9時30分から18時30分まで(入館は18時まで)で、毎週水曜日と年末年始が休館日です。いいだ人形劇フェスタ開催中は開館時間が延長されます。

アクセスと周辺環境

美術館へのアクセスは、JR飯田線飯田駅から徒歩12分、中央自動車道飯田ICからは約8分と良好です。周辺には、飯田市立動物園、飯田城跡、美しいりんご並木など、観光スポットも点在しており、美術館を訪れた際には、周辺エリアも合わせて散策してみるのもおすすめです。

まとめ

飯田市川本喜八郎人形美術館は、川本喜八郎氏の芸術性と人形劇の魅力を伝えるだけでなく、飯田市の文化拠点として、地域社会に貢献しています。人形劇に興味のある方、川本喜八郎氏の作品を鑑賞したい方、そして飯田市の魅力を再発見したい方にとって、必見の場所と言えるでしょう。

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