高砂市立図書館

高砂市立図書館

高砂市立図書館（たかさごしりつとしょかん）は、兵庫県高砂市米田町に位置する公共図書館です。現在の本館は2016年2月14日に開館したもので、図書館流通センター（TRC）によって運営されています。この図書館は、地域住民の文化的活動や学びを支える重要な拠点としての役割を果たしています。

歴史

旧館時代

高砂市が成立したのは1954年のことで、その後1958年に開館した最初の図書館は、高砂町北本町の旧高砂町役場の3階に位置していました。当時、周辺の加古郡や印南郡、さらには加古川市や明石市に公立図書館は存在しておらず、高砂市が初めての図書館を設立したのです。しかし、旧館は手狭であったため、1978年に教育センター内の兵庫県立松陽高等学校の旧校舎へと移転が行われました。ここでも図書館は、多くの公民館に図書室を設置するなど、地域の公共教育に貢献していました。

松陽高等学校の旧校舎では、図書館の設備や利用形態が不十分であったことから、利用者から図書館専用の建物を求める声が上がりましたが、財政難のために新設計画は長い間先送りされることになりました。この間に近隣の姫路市や加古川市が新たに図書館を開設したため、高砂市の図書館は相対的に設備の面で劣っていると批判されることが増えていきました。こうした背景から、高砂市は2009年に「教育文化施設等庁内検討委員会」を設置し、米田町の米田多目的広場に新しい図書館を建設することを決定しました。

現行館時代

新しい館の建設に先駆けて、図書館流通センターが指定管理者に選定され、加古川ウェルネスパーク図書館の館長を務めた大塩正一氏が館長に就任しました。そして、2016年に新しい本館が開館し、これに伴い旧公民館図書室はすべて廃止され、蔵書は新本館に集約されています。また、教育センターと歴史民俗資料室も同時期に移転が行われています。

広域貸出

高砂市立図書館では、東播磨地区の図書館協議会および播磨圏域連携中枢都市圏による協定のもと、周辺の公立図書館との間で相互に広域貸出を実施しています。参加している市町には、明石市、加古川市、姫路市を始め、福崎町や多可町などが含まれています。さらに、明石市にある兵庫県立図書館の蔵書もオンラインで予約可能であり、カウンターで受け取ることができます。このようなサービスにより、地域の読書環境が一層充実しています。

高砂市立図書館は、地域の知識を共有し、学びの場を提供することで、住民の文化的活動を促進しています。新しい図書館の開館は、高砂市にとって重要な転機となり、今後も地域密着型の交流の場としての役割を果たし続けることでしょう。

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